「アナログなビジネス習慣の中に“ITならではの便利さ”を取り入れたツールを」――。「SkyDesk」は、こんなコンセプトから生まれた無料のビジネスコラボツールだ。このサービスの特徴について、マーケティング担当の小栗氏に聞いた。
スマートデバイスとクラウドサービスの普及で、ビジネスパーソンの仕事の仕方が変化し始めている。スケジュール管理は紙の手帳からクラウド型のサービスに、仕事の資料は紙からデジタルデータに、業務日報は会社に戻って書くのではなく、外出先のスマートデバイスで入力して提出する――といった具合だ。
しかし、“アポを取って取引先に足を運び、名刺を交換して商品について説明する”――といった、ビジネス上の作法や商談をまとめるまでのフローは、使うツールやサービスが変わったからといって、大きく変わるものではない。
今の時代に必要なのは、これまでのアナログなビジネス習慣の中に“ITならではの便利さ”を取り入れたツールなのではないか――。富士ゼロックスの「SkyDesk」は、そんな思いから生まれた無料のコラボレーションツールだ。
SkyDeskは、電子メールやスケジュール、メール、タスク管理などの基本機能に加え、Microsoft Office互換のビジネス文書共有管理ツール、名刺管理ツールや顧客管理ツールといった営業支援ツールを用意したクラウド型の統合サービス。SkyDeskのプランニングとマーケティングを担当する小栗伸重氏は「長年オフィス機器を手がけてきたからこそ“企業の現場のニーズ”が分かる。それを反映させて開発したSkyDeskは、“現場視点”のビジネスツールに仕上がっている」と胸を張る。
このサービスの特徴とスマートデバイス向けの便利な機能について、Mobile IT Asiaの同社ブースで小栗氏に聞いた。
小栗氏がSkyDeskの特徴として挙げるのが柔軟なデータ連携だ。その便利さは、名刺管理機能を見るとよく分かる。
SkyDeskには、iPhoneの内蔵カメラで撮った名刺を自動でテキスト化して名刺管理ツールに格納する機能がある。この名刺データにはメモや画像を添付でき、メモに打ち合わせの概要を書き込み、打ち合わせ時のホワイトボード画像や現場の写真などを添付すれば、営業記録として利用できるわけだ。この名刺データは、企業向けに用意された管理グループ機能を利用すれば、メンバー間で共有することも可能。メンバーが名刺に情報を追加していけば、その人物に対する名刺データ以上の情報を社内で共有できる。
この名刺の人物が見込み顧客になったら、名刺データを顧客管理ツールに出力することも可能。ほかにも、名刺交換した日をカレンダーに追加できるなど、1つのデータをビジネスの進捗に応じてさまざまなツールに展開できるのがメリットだ。
社員が個々に名刺を管理し、商談の際に別途CRMツールに入力するのでは手間が増えるばかりで情報の共有も進まないと小栗氏。SkyDeskを使うことで、入力の手間が軽減され、取引先に対する理解も深められるという。
メンバーの動向が一目で分かる「アクティビティ」は、SkyDeskの利用者から好評な機能だという。メンバー間で活動状況を共有するためのツールで、いわば“社内Twitter”といったところだ。
PC版SkyDeskでは中央にタイムラインと入力用フィールドが表示され、業務の進捗を最大400文字で伝えられる。メールで伝えようとすると、宛先に複数のメールアドレスを入力するなど面倒な操作が多いが、このツールを使えば簡単に情報を発信できると小栗氏。この機能はスマートデバイスにも対応しており、取引先の反応や現場の状況などを外出先からリアルタイムで伝えることも可能だ。
「位置情報付きの投稿もできるので簡易日報的にも使える。打ち合わせに遅れそうなとき、今いる場所を報告するのにも役立つ」(小栗氏)
ユーザーインタフェースをスマートデバイスに最適化しているのも便利な点だ。iPhoneやiPad、Android端末向けには、スマートフォン専用のポータルサイトを用意。メールやアクティビティを通じたコミュニケーション、スケジュールの確認、ビジネス文書の閲覧、顧客管理ツールへのアクセスを、タッチ操作に最適化したUIで利用できる。
ビジネス文書の閲覧機能は、ビジネスデータを外出先で利用する際に便利な機能だ。作成したデータをSkyDeskに登録しておけば、社外にいても登録したデータにアクセスできる。外出先で新たな見積書や営業資料が必要になった場合にも、社内のメンバーに必要な資料を登録してもらえば、そのデータを参照できるようになる。
さらにiPhone向けには専用アプリも用意され、内蔵カメラを使った名刺データの読み取り機能も利用できる。打ち合わせが終わったあとに名刺を撮影しておけば、名刺のテキストデータと画像データが名刺管理ツールの中に自動で保存される。すきま時間を有効活用できる機能だ。
Android端末やiPad向けには、内蔵カメラで撮影した名刺画像を専用のメールアドレス宛に送信することで名刺管理ツールに登録できる「メールイン」という機能がある。簡単な設定で使えるようになるので、スマートデバイスユーザーなら設定しておきたい。
クラウド型のビジネスツールは多種多様なものが登場しており、製品選びは難しくなる一方だ。小栗氏はSkyDeskの強みについて“データのつながり、アナログとのつながり”を重視している点を挙げる。「なんでもかんでもクラウド化するのではなく、ITが役立つところをしっかりサービスとして作り込み、人がビジネスの本質にかかわる業務に集中できる環境作りを目指す」(小栗氏)
SkyDeskは当初、無料版のみが提供されていたが、2月末から有料サービスが登場した。有料サービスでは、企業のインフラとして利用することを想定したメニューを用意。データ共有やメンバーの追加、アプリの利用などについて管理者がポリシーを設定して個々のメンバーに適用できるほか、名刺の登録枚数やメールボックスの容量を増やすことができる。
それぞれの使い分けについては、「カジュアルにつながれる協業スペースとして使う場合には無料版、企業としてのポリシーを策定して運用する場合には有料版になる」(小栗氏)としている。なお、名刺データの共有は、管理者を設定したグループ内でしか行えないので、一定数のメンバー間で共有する場合には有料サービスに申し込むことになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
提供:富士ゼロックス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia プロフェッショナルモバイル編集部/掲載内容有効期限:2012年4月10日