富士通、ドコモ、NEC、富士通セミコンが合弁 通信プラットフォームを共同開発

» 2012年08月01日 18時02分 公開
[園部修,ITmedia]

 富士通、NTTドコモ、NEC、富士通セミコンダクターの4社が8月1日、通信機器向けのモデムを搭載した通信プラットフォームの開発と販売を行う合弁会社設立で合意したと発表した。富士通が8月1日付で設立したアクセスネットワークテクノロジに、ドコモ、NEC、富士通セミコンダクターが8月中に出資する。出資比率は富士通が52.8%、ドコモが19.9%、NECが17.8%、富士通セミコンダクターが9.5%。

 アクセスネットワークテクノロジは、ドコモや富士通、NECらが共同で開発に取り組んだLTE通信プラットフォーム「LTE-PF」のような、スマートフォン向けのチップセット/プラットフォームの開発・販売を主力事業とする。各社の持つ技術や共同開発による成果が、国際的にも高い競争優位性を持つことから、世界に先駆けた通信プラットフォーム製品開発を行っていくとしている。

 なお、2009年に共同開発されたLTE-PFは、ドコモ、富士通、NEC、パナソニック モバイルコミュニケーションズの4社で開発したものだが、今回の枠組みにパナソニック モバイルコミュニケーションズは参画していない。また2011年12月には、NTTドコモが主体となって富士通、富士通セミコンダクター、NEC、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、Samsung Electronicsの5社とともに通信機器向け半導体の開発・販売の合弁会社設立を目指したが、2012年4月に、最終合意に至らなかったため合弁契約を解消し、準備会社として設立された「通信プラットフォーム企画」は精算された経緯がある。

 今回、富士通が主体となってアクセスネットワークテクノロジを設立した背景には、この通信プラットフォーム企画の合弁がうまくいかなかったことがあるようだ。富士通広報IR室によると「前回(通信プラットフォーム企画の取り組み)はうまくいかなかったが、富士通としてはやはり(プラットフォームの共同開発は)やるべきだという考えに立って新会社を設立した。共同開発する通信プラットフォームは海外にも販売していきたい考えで、グローバルの端末メーカーの参加も今後呼びかけていきたい」としている。またドコモ広報部では「今回は富士通を支援するという立場での参加。LTE-PFなどの開発に関わった際の技術提供を行う。主にプラットフォームのライセンス供与と人材派遣が中心」と話した。

 アクセスネットワークテクノロジは資本金1億円、代表取締役社長は坂田稔氏。神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号に本店を構え、従業員数は約85人。

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