加入者200万人増、「BlackBerry 10」投入のめども――RIM、復活なるか

» 2012年09月26日 14時54分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 米Appleや韓Samsungを相手に苦戦している「BlackBerry」のResearch In Motion(RIM)だが、復調の兆しもあるようだ。9月25日に米サンフランシスコで開催した開発者向けイベントでは、この3カ月で加入者が200万人増加したことが明らかになった。2013年初旬には、次期プラットフォームの「BlackBerry 10」が登場するとみられており、この勢いを維持したいところだ。

 iPhoneが登場するまでは、欧米のビジネスユーザーから圧倒的な支持を集め、Nokiaとともにハイエンドセグメントで強い存在感を示していたRIMだが、タッチ画面ブームに乗り遅れたことなどから、シェアが縮小している。Gartnerの2012年第2四半期(4月〜6月期)の調査データで同社のシェアは、前年同期の3%から1.9%に減少。中Huawei Technologiesや中ZTEなどにも追い越され、ベンダー別シェアのランキングは10位となっている。

 同社は現在、次期BlackBerry 10の投入を控えており、9月25日に開幕した開発者向けイベント「BlackBerry Jam Americas」ではBlackBerry 10向けSDKの最新β版を公開した。イベントでは同OSのプレビューも行い、開発者に新機能をアピール。イベントに合わせてYouTubeで公開したビデオでは、REO Speedwagonのヒット曲、「Keep On Loving You」に合わせて、同社の開発者リレーション担当バイスプレジデントのアレック・サウダーズ(Alec Saunders)氏がBlackBerry 10の特徴や状況を替え歌で紹介している。歌詞によると、「BB10はフルタッチとQWERTYキーボードの2エディションを用意する」「SDKはクール、APIは完全」とのこと。「RIMは移行期間にあり、課題の多い時期を経験してきた」というくだりもある。

Photo 替え歌で新機能を紹介した

 同イベントで基調講演を行ったCEOのソーステン・ハインズ(Thorsten Heins)氏はBlackBerry 10の投入に向けた進捗を報告するとともに、この3カ月で加入者が200万人増え、8000万人になったことも明かした。これを報じたFinancial Timesによると、東南アジアなど一部市場ではiPhoneを上回る台数を売り上げているとのことだ。ただ同誌では、ユーザー数の増加という好材料だけでなく、ユーザーが途上国市場にシフトすることで平均販売価格(ASP)が減少するというアナリストらの懸念も紹介している。

 RIMは27日に第2四半期の業績を報告することになっており、6月末に行った第1四半期の業績報告では、売上高が前年同期比43%減の28億1400万ドルとなり、5億ドル以上の損益を計上している。

 なお、RIMは9月20日、欧州とアフリカを中心にサービス障害に見舞われた。2011年10月の大規模なサービス障害ほどではなかったが、一部ユーザーが利用できないという事態が発生し、株価が下がった。

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