Wintel独占のPC市場に変化、タブレットは3割増ペースで成長――Canalys調べ調査リポート

» 2013年01月11日 19時05分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 Wintelとしてコンピュータの一時代を築いたMicrosoft・Intel連合の独占状態に変化が起きている。フォームファクタではタブレットが台頭し、OS側ではiOSやAndroid OS、チップ側ではQualcommなどのARM系が存在感を示している。このようなトレンドから調査会社のCanalysは、Wintelのシェアが2013年には65%に縮小すると予想する。

 「PC」「タブレット」「モバイルデバイス」などの定義は調査会社によって異なるが、Canalysはタブレットも「PC市場」に入れて調査している。PC市場におけるデスクトップ/ノートPC/ネットブックを合わせた出荷台数は2012年第4四半期、10%減少したという。2013年WintelベースのPCの出荷台数は5%減少し、Wintelのシェアは2012年の72%から、2013年には65%に縮小すると予想している。

 この要因としてCanalysは、タブレット人気やWindows 8がもたらした複雑さなどを挙げている。タブレット、スマートフォンについては、「多くのユーザーにとって日常のコンピュータ作業を行うのに充分なレベル」に達しており、AndroidベースのタブレットやiPadを選ぶ消費者が増えていると指摘する。

 タブレット市場は2012年から4年間、年平均成長率37%で成長し、2016年には3億8900万台を出荷するに至ると予想する。これは、PC市場全体の59%にあたる。市場を牽引するのは、iPad/iPad miniのほか、Amazonの「Kindle Fire」のようなコンテンツ主導のビジネスモデルが実現する安価なAndroidタブレット、MicrosoftのSurfaceのようなWindowsベースのハイブリッドPCなどという。

 Windows 8については、PC市場に再びイノベーションをもたらすという点では成功していないとみる。これまでのWindows OSと大きく異なることから、消費者は新たに操作方法を学ぶ必要があり、これがハードルになっているという。さらには、タッチスクリーン搭載端末などコスト面の負担が大きくなる点も挙げている。

 なお、1月7日にはNPD DisplaySearchが2013年にタブレットがノートPCの出荷台数を上回るという調査報告書を発表している。

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