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» 2013年01月21日 16時37分 UPDATE

Facebookの無料VoIPは「スマホ時代最大級の破壊的サービス」――アナリストが警告

Facebookが一部地域で提供を開始した無料のVoIPサービスは、通信キャリアに加え、SkypeなどのVoIP専業ベンダーらに大きな影響を与えるとOvumのアナリストが警告している。

[末岡洋子,ITmedia]

 この1月からFacebookが提供を開始した無料のVoIPサービスは、スマートフォン時代最大級の破壊的なサービスになる可能性があると調査会社Ovumのアナリストが予言している。影響を受けるのはオペレータだけでなく、SkypeなどのVoIP専業ベンダーも無関係ではないと警告する。

 Facebookが1月はじめに公開したiPhone向けの「Facebook Messenger」最新版で、ユーザー同士の音声通信を可能にするVoIP機能を導入した。VoIP機能は当初、カナダに限定して提供していたが、1月16日からサービスエリアを米国にも拡大した。

 Ovumのテレコム担当アナリスト、エメカ・オビドゥ(Emeka Obiodu)氏によると、FacebookのVoIP機能は提供地域や機能面でまだまだ限定的だが、テレコム業界はこれを軽視すべきではないという。その理由として、Facebookが抱える膨大なユーザー数と利便性を挙げる。通信サービスの価値はユーザー数が増えると大きくなるという原則(メトカーフの原則)を引き合いに出し、Facebookが今後、提供地域を拡大するとVoIPサービスの利用は増えると予想。現在では限定的な機能についても、動画通話や電話番号への発信などの機能を付加するのは時間の問題と見ている。

 また、Facebookは現在、Skype(Microsoft)と提携してFacebookのWebサイトからSkypeの音声通話機能を利用できるようにしているが、将来的にはWebサイト上の通話も自社で提供することも考えられるという。MicrosoftはFacebookに出資していることから、その場合はMicrosoftとの関係にも影響する可能性があるとしている。

 FacebookはFacebook Messengerそのものを無料で公開しており、VoIPを提供するFacebookの目的についてオビドゥ氏は、収益ではなく、プラットフォームの強化と広告提供の改善に役立てるためと分析する。Facebookは「サービスの中核を成すソーシャルネットワークサービスを補完するために音声を提供するため、無料にできる」(オビドゥ氏)。このような動きにより、通信キャリアをはじめ、SkypeやViberなど、音声/メッセージサービスを事業の柱とするOTTプレイヤーも影響を受けると警告している。特に、プリペイド顧客を多く持つ途上国の通信キャリアにとっては、大きな懸念事項になると予言。最終的には、他の公益事業のように固定料金を課す必要があるのではないか、と提言している。

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