日産自動車のEVトラックはひと味違う、電池を冷凍用に使う車両も電気自動車

日産自動車は、乗用車「リーフ」とは違ったEV技術の使い方を見せた。冷凍車が内蔵する冷凍機のコンプレッサをリチウムイオン二次電池で動かす、大容量二次電池を搭載して電源車として機能するなどの使い方だ。

» 2011年10月31日 20時30分 公開
[畑陽一郎,@IT MONOist]

 日産自動車は「2011年東京トラックショー」(2011年10月27日〜29日、東京ビッグサイトで開催)において、EV技術を採用した小型トラックを公開した(図1)。ベース車体となる小型トラック「アトラスF24」*1)を使った3種類のトラックである。いずれもリーフのEVコンポーネントや、新規開発したEV関連技術を適用した。

*1)アトラスF24は、同社が2007年に発売した小型トラック。複数の車種があり、最大積載量は1.15〜2トン。

図1 e-NT400アトラスコンセプト 小型トラック「アトラスF24」にリーフのコンポーネントを搭載したEVトラック。リーフの2倍に相当する48kWhのリチウムイオン二次電池を搭載する。1充電当たりの走行距離は100km(JC08モード)。出典:日産自動車

 「e-NT400アトラスコンセプト」は、アトラスF24にリーフのコンポーネントを搭載したEVのコンセプトカー。CO2(二酸化炭素)などの排気ガスを出さないことから、従来のガソリン車が利用できなかった場所でも利用できるという。

冷凍に電池を使うメリットは何か

 「アトラスF24リチウムイオンバッテリー式冷凍車」は、駆動力ではなく、冷凍用コンプレッサーにリチウムイオン二次電池の電力を利用する冷凍車*2)。「電池の容量は18kWhであり、冷凍状態を10時間維持できる」(日産自動車)。

 同社によれば、このようなシステムを搭載した冷凍車はこれまで製品化されていないという。従来の冷凍車では停車中にエンジンを停止すると冷凍機能が利用できない。さらに冷凍(コンプレッサ)に使用する動力をエンジンが供給するため、走行中はエンジンに負荷がかかっていた。2012年秋に国内向け出荷を開始する予定だ。

*2)フォーアールエナジーが電源システムを開発した。同社は日産自動車(出資比率51%)と住友商事(49%)が2010年9月に設立した企業。EVで利用し終わったリチウムイオン二次電池を再利用する新事業の開拓を目指す。

 「アトラスF24給電車」は、リーフ3台分(72kWh)のリチウムイオン二次電池を搭載した電源車。EVから建物に給電するV2H(Vehicle to Home)の考え方を強調したEV。同社によれば、日中、消費電力がピークになる時間帯にオフィス(250m2、20人)に4時間分の電力を供給できるという。停電時の電源車としても使えるとした。

 日産自動車は、EV乗用車リーフ発売後、商用EV2人乗りEVなど、EV技術をさまざまな車種に適用している。今回の取り組みもEV技術を小型商用車(LCV:Light Commercial Vehicles)に適用したものだという。


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