1年のうち80%は外気だけで冷却可能、IDCフロンティアが新データセンターの建設計画を発表スマートファクトリ

データセンターと言えば、夏でも寒いくらいに空調を入れている様子を思い浮かべる方が多いかもしれない。IDCフロンティアは、空調がほとんど必要ないデータセンターを計画している。

» 2012年03月15日 19時12分 公開
[ITmedia]

 IDCフロンティアは2012年3月15日、福岡県北九州市にある、同社のデータセンター「アジアン・フロンティア」に503台のラックを収容できる規模の新棟を建設すると発表した(図1)。空調機ではなく、外気を積極的に利用する構造にすることで、1年のうち80%の期間が外気による冷却でデータセンターの運用が可能になるという。

ALT 図1 IDCフロンティアが北九州市に建設することを計画しているデータセンターの予想図

 同社のアジアン・フロンティアは国内のデータセンター事業者としては始めて、外気を積極的に活用する空調システムを導入し、およそ3年半運用してきた。今回の新棟では、3年版の運用実績から得られたノウハウを投入する。

 アジアン・フロンティアで稼働中のデータセンターは、空調機を主に利用して、外気で補助する方式で運用しているが、今回新たに作る新棟では、建物の形状を工夫し、空気の流れを極力邪魔しない構造を採用するなどの工夫で、外気を主に利用してデータセンターを冷却することを可能にする。空調機は補助という位置付けになる。同社はこれにより、空調にかかる電力コストを大幅に削減できると見込んでいる。

 着工は2012年3月で、2013年2月末の竣工を予定している。また、同社が福島県白河市に建設中のデータセンターでも同様の設計を採用しているという。このデータセンターは2012年9月末に竣工予定。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.