認証型コンセントは供給した電力量を把握する機能も持っている。例えば、「誰が、どれくらい電気を使っているのか?」ということを把握するシステムを作ることができる。電力量のデータをインターネット経由でサーバに送信する機能を実装することも可能だ。
住宅内に複数あるコンセントのうち、1つを親機として、インターネット経由でデータを送信する機能を持たせる。ほかのコンセント(子機)からは、データを親機に送信する。親機は子機のデータもまとめてサーバに送信する(図4)。
ソニーは親機と子機の間の通信方式として、余計な配線を不要にするため、無線通信や電力線通信などを検討しているという。
コンセントからの情報を受けたサーバ側では、データを分析処理して、結果をグラフなどの見やすい形に加工する。そのグラフをパソコンやスマートフォン、タブレット端末といった機器で見られるようにすれば、HEMSが完成するわけだ。
認証型コンセントはサーバからの指示を受けて給電を止める機能も持っているため、外出先から電気機器の動作を止める操作も可能になる(図5)。
HEMSの機能に加えて、機器の寿命を大まかに見積もる機能も実現できる。認証型コンセントは機器に通電し始めた日時や、通電した時間の通算値、機器の経年変化に応じた消費電力量の推移といったデータを集められる。
例えば、「もう5年も使って、電力を無駄に消費するようになったから、機器を入れ替えたほうがよい」という判断材料を提示できる。
ソニーは認証型コンセントの販売価格について「まだ決まっていない」という。しかし特殊な部品を使っているわけではないので、それほど高価にはならないと予想できる。
中核になるFeliCaの技術はすでに確立され、幅広く普及している。FeliCaリーダーやFeliCaのデータを読むためのアンテナは安価になっている。
HEMSを実現する簡便な手段の一つとして、認証型コンセントの市場投入が待たれるところだ。
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