コンセントにタップを付けるだけ、エアコンや冷蔵庫の消費電力量を見える化エネルギー管理

家庭内のコンセントに専用のタップを取り付けると、家電機器の消費電力データを計測して、タブレット端末に数値やグラフを表示できる。シャープが無線を使った電力見える化システムを発売する。

» 2012年04月12日 15時06分 公開
[石田雅也,ITmedia]
ALT 図1 シャープの「電力見える化システム」は、専用タブレット端末、中継器、タップ5個で構成。価格は約20万円。タップは最大30個まで増設可能

 シャープが5月11日から発売する「電力見える化システム」は、7インチの液晶ディスプレイを搭載したタブレット端末の画面に、エアコンや冷蔵庫などの消費電力量をリアルタイムに表示できる。面倒な配線を不要にするため、中継器を使って無線でデータを送受信できる点が特徴だ(図1)。

 家電機器を接続するコンセントに専用のタップを取り付けると、タップが消費電力量を常に測定して、中継器にデータを送る仕組みになっている。この中継器は通信用のルーターとケーブルで接続して、ルーター経由でシャープ製の太陽光発電システムのデータを取り込むこともできる。

 タブレット端末には、家電機器ごとの消費電力量のほかに、家全体の消費電力量を時間別や日別のグラフで表示でき、太陽光発電システムを使っている場合には発電量と消費量を比較したデータを表示することも可能になる(図2)。機器ごとに電力使用量の目標値を設定しておけば、その数値を超えた場合にアラームを出してくれる。節電意識の高い家庭には便利な機能と言える。

ALT 図2 タブレット端末に表示される消費電力量などの情報画面

 一般的な電力見える化システムの場合、家庭内にある分電盤から消費電力データを収集する方式をとっており、分電盤にデータ収集用の計測センサーを取り付けるなどの工事が必要になる。これに対してコンセントにタップを取り付ける方法だと工事が不要で、導入しやすい利点がある。

 ただし電力を見える化するために20万円のシステムを購入する家庭は数多くないだろう。当面は太陽光発電システムと組み合わせる使い方が中心になるとみられる。もっと低価格なシステムが出てくれば、利用する家庭が増えることは期待できそうだ。

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