建売住宅19棟にHEMSを装備、エアコンの設定温度も自動制御スマートホーム

三井不動産レジデンシャルは横浜市で10月から販売する建売住宅19棟に、HEMS(家庭向けエネルギー管理システム)を標準で装備する。地域のエネルギー管理システムとも連携して、電力の抑制が必要な場合にエアコンの設定温度を自動で制御できるようにする計画だ。

» 2012年08月14日 07時20分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 横浜市が推進中の「横浜スマートシティプロジェクト」の一環で実施するもので、経済産業省の「平成24 年度次世代エネルギー・社会システム実証事業」の補助金を受けてHEMS(家庭向けエネルギー管理システム)のほかに人感センサー付き照明などの省エネ機器を各住宅に設置する。

 地域内のエネルギー利用状況を最適化するCEMS(コミュニティ向けエネルギー管理システム)と連携できる点が特徴で、夏の昼間など電力需要を抑制する必要が生じた場合にエアコンの設定温度を自動的に制御する機能を備える(図1)。このようなデマンドレスポンスの機能を建売住宅で実現するのは初めてだという。

図1 HEMSと地域のエネルギー管理。出典:三井不動産レジデンシャル

 三井不動産レジデンシャルは全部で33戸の建売住宅を販売する計画で、そのうち2012年10月から販売が決まっている最初の19戸にHEMSや各種の省エネ機器、さらにガスコージェネレーションシステムの「エネファーム」を標準で装備して電力使用量の削減を図る。

 HEMSは東芝が開発したシステムを採用した。住宅内の居室ごとに電力使用量を照明・コンセント・エアコンに分けて表示するほか、エネファームや太陽光発電システムによる発電量も日別に表示できる(図2)。

図2 HEMSによる電力見える化の画面例。出典:三井不動産レジデンシャル

 入居が開始される2012年12月から2015年3月まで、CEMSも含めて実証実験を進める予定だ。入居者に対しては節電に協力するとエコ家電や商品券と交換できる特典を用意する。

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