太陽の熱で冷暖房と給湯ができるビル、エネルギー消費量を28%削減スマートオフィス

太陽からのエネルギーは光だけではなくて熱の量も大きい。その太陽熱を活用した省エネ型の自社ビルを東京ガスが建設する。太陽熱による冷暖房や給湯システムに加えて、ガスコージェネレーションによる電力供給と冷暖房を組み合わせ、エネルギー消費量の削減に取り組む。

» 2012年09月28日 14時30分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 東京ガスが東京都立川市に所有する自社ビルを省エネ型に建て替えるもので、地上5階建ての中規模のビルになる。最大の特徴は太陽熱を活用してエネルギー消費量を削減する点にある。屋上に太陽熱の集熱パネルを設置して、その熱でビル内の冷暖房をまかなう「ソーラークーリングシステム」を採用する(図1)。

図1 東京ガス立川ビルの建て替え後の内部設備イメージ。出典:東京ガス

 集熱パネルは合計130平方メートルの広さに展開する計画で、冷房能力は中規模ビルに必要な500kW程度になる。さらに最上階のテラスにも集熱パネルを組み込んだ「太陽熱利用ガス温水システム」を設置して、給湯と床暖房に利用する。

 もうひとつの省エネ対策は、電力と熱の両方を作り出すガスコージェネレーションの活用である。ガスコージェネの熱は「デシカント空調機」と呼ぶ除湿装置にも利用する。この装置で吸着した水分をガスコージェネの熱で除去する仕組みだ。

 以上のほかにも「太陽光追尾採光装置」を使って採光を最適化して照明用の電力を低減するなど、さまざまな省エネ対策を盛り込む。すべての対策を合わせると、一般的なビルと比べてエネルギー消費量を28%削減できる見込みだ。2013年6月に建設を開始して、2014年11月に完成する予定である。

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