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» 2012年10月11日 09時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:停電時も広範囲に電力を供給、自家発電装置の余力を活用

一般に自家発電装置を利用するときは、必ず電力を供給しなければならない場所を決めておく。停電時に、その場所だけに確実に電力を供給するためだ。東京ガスは停電時でも自家発電装置に余力があれば、指定した場所に限らず電力を供給する制御装置を開発した。

[笹田仁,スマートジャパン]

 東京ガスはコージェネレーションシステムの運転状態を制御する機器「ジェネスマート」を開発したことを明らかにした。ジェネスマートは停電時にコージェネレーションシステムの運転状態を制御し、発電余力がある場合は広い範囲に電力を供給することを可能にする装置だ。

 一般にコージェネレーションシステムは、停電して電力会社からからの電力供給が途絶えると、事前に設定した範囲にしか電力を供給しない。発電余力があったとしても、事前に決めた場所だけに確実に電力を供給することを優先する(図1)。

Tokyo_Gas_GeneSmart_1.jpg 図1 一般的なコージェネレーションシステムは、停電すると事前に指定した部分にしか電力を供給しない

 ジェネスマートは停電時もコージェネレーションシステムの発電能力を見て、余力があれば発電させて、事前に指定した場所に限らず、可能な限り広い範囲に電力を供給することを可能にする装置だ(図2)。

Tokyo_Gas_GeneSmart_2.jpg 図2 ジェネスマートを利用すると、停電時でもコージェネレーションシステムに余力があれば発電させて、事前に指定した場所に限らずなるべく広い範囲に電力を供給する

 コージェネレーションシステムの発電能力に余力がなくなってきたら、電力を供給する範囲を事前に指定した場所にしぼり、確実に電力を届けなければならない場所への電力供給は止めないようにする。

鹿島建設が自社所有の複合施設に導入

 東京ガスは鹿島建設がジェネスマートの採用を決めたことも明らかにした。鹿島建設が所有する複合施設「東京イースト21」(東京都江東区)に導入する。東京イースト21には出力350kWのガスコージェネレーションシステムが2基備え付けてあるが、どちらも停電時に動作する機能は備えていない。

 鹿島建設はジェネスマートの導入に合わせて、停電時も動作する機能を持つガスコージェネレーションシステム(出力は700kW)を導入する。さらに電力や熱エネルギーを施設全体に効率よく配分する「スマートエネルギーネットワーク」の構築を計画している。コージェネレーションシステムが出力する電力と熱エネルギーに加えて、電力会社から受電する電力をコンピュータシステムを利用して効率良く最適配分するシステムだ(図3)。

Tokyo_Gas_GeneSmart_3.jpg 図3 東京イースト21に構築する「スマートエネルギーネットワーク」のイメージ。4つの建物をつなぐように電力供給ネットワークと熱エネルギー供給ネットワークを作る。停電時はジェネスマートの機能を利用して、オフィス棟に優先的に電力を供給しながら、ガスコージェネレーションシステムの余力の範囲で、ほかの部分にも電力を供給する

 スマートエネルギーネットワークの構築は2012年10月中に開始する予定で、竣工は2013年2月末の予定。東京ガスと鹿島建設に加えて、東京ガスの100%子会社であるエネルギーアドバンスが構築だけでなく維持管理、運営を担当する。

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