国内で最大規模の洋上風力発電所、2016年春に稼働開始自然エネルギー

国内でも数カ所で洋上風力発電所の計画が持ち上がっているが、どの計画も稼働開始まで長い時間がかかることになっている。前田建設工業は2016年春に稼働開始することを目指して、大規模な洋上風力発電所を建設する。

» 2012年10月15日 07時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 建設会社である前田建設工業は山口県下関市沖に大規模な洋上風力発電所を建設する(図1)。出力が3000kWの発電機を20台設置し、合計出力を60MW(6万kW)まで高める計画だ。発電した電力は全量中国電力に売却する。年間発電量はおよそ16万MWhと見込んでいる。

図1 洋上風力発電所の完成予想図

 建設予定地は下関市の安岡漁港から1〜2km離れた沖(図2)。前田建設工業によるとこの周辺は遠浅で、水深20m以下の海域が広がっているという。水深が浅いということを利用して、風力発電機は海底に固定する「着床式」で施工する。

図2 安岡漁港周辺の航空写真。この周辺は水深が浅い海域が広がっている

 前田建設工業はこの事業を担当する事業会社を2013年に設立する予定。この会社が建築前の調査、設計、施工と管理、運営、保守を担当する。前田建設工業は事業会社に100%出資することは考えていない。共同で事業を進めるパートナーを探して、共同出資としたい考えだ。

 事業会社を設立したら2015年に着工し、2016年春から半分の規模で稼働を始める。フル稼働開始は2017年春の予定。

 この計画を発表するまで、前田建設工業は現地で1年間風況を調査し、十分な収支を見込める風量を期待できると見て、建設決定に至った。しかし、現在のところ売電収入の見込みは立っていない、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を利用して売電する計画だが、固定価格買取制度ではまだ洋上風力発電による電力の買取価格を決めていないからだ。

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