日産自動車が「リーフ」に続く電気自動車の第2弾として開発中の商用バン「e-NV200」。その企業モニターとして、コカ・コーラセントラルジャパンが横浜地区の営業用車両でテスト運行を始める。国内では3社目の企業モニターで、夜間電力による充電の実用性を検証する。
これまでに日産自動車はe-NV200の企業モニターとして、イオンリテールとフェデラルエクスプレスにe-NV200を貸与している。コカ・コーラセントラルジャパンは日産自動車と同じ横浜市に本社を置く製造・販売会社で、神奈川県から三重県までの関東・東海6県に営業拠点がある。
今回のテスト運行は横浜地区で実施するが、特に夜間電力だけで充電した場合の利用可能性を検証することにしている。夜間電力による充電で昼間の運行が可能になれば、夏の電力需要がピークの時間帯に充電しなくても車両を利用することができる。近距離の営業用車両としての実用性や経済性、環境負荷の軽減度も測定する。
e-NV200は正式発表前のため詳細は明らかになっていないが、100%充電した時の航続距離はリーフと同様の160キロメートル程度と想定されている。移動範囲を限定した営業用車両であれば、日中に充電しなくても対応可能な距離と考えられる。
リーフの場合は200Vの普通充電で100%にするのに8時間かかる。現在のe-NV200のモニター車も同じバッテリーを搭載している可能性が大きいが、夜間の充電であれば十分な時間をとることができるだろう。
日産はe-NV200をスペインのバルセロナ工場で生産する予定で、2013年後半に量産を開始する計画だ。このため正式発売は2014年になる見込みである。まだ1年以上も先であり、今後も企業モニターを通じて実用性をアピールしながら市場投入の時期をはかることになる。
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