a.20%
国家戦略室の「コスト等検証委員会」が公開している資料によると、陸上風力発電の設備利用率は20%。この資料には、発電方式ごとの発電コストを試算した結果などが載っている。発電コストの試算の根拠となる設備利用率は、発電設備の最大出力値に対して、実際に発電した発電量の割合を示すものだ。
コスト等検証委員会の資料では、事業者への調査や発電実績データなどから設備利用率を見積もっており、日本という国の気象条件などを反映した目安と見ることができる。陸上風力のほかには、例えば太陽光発電が12%、小水力発電が60%となっている。
陸上風力発電の設備利用率は太陽光発電に比べて高いので期待する声も多いが、建設は簡単ではない。まず、安定して強い風が吹かないと風車が回らないので発電しない。風力発電で安定して発電するには、何よりも安定して風が吹く場所を探す必要がある。
安定して風が吹く場所が見つかったとしても、法律による制限で建設ができなかったり、発電機の風車が発する騒音を周辺住民が嫌がって建設できないということも多い。風力発電機の設備利用率は比較的高いが、建設までに時間とコストがかかり、建設計画が失敗に終わる可能性すらあるのだ。
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