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» 2012年12月18日 11時00分 UPDATE

電力供給サービス:非常時は自動車工場を発電所に、宮城県で検討開始

トヨタ自動車と、その関連会社であるトヨタ自動車東日本は、災害時に工場が立地する地域に協力するという協定を宮城県と大衡村(おおひらむら)と締結した。人命救助や一時避難場所の確保などのほかに、工場の自家発電システムで発電した電力を近隣地域に提供することも検討する。

[笹田仁,スマートジャパン]
Toyota_Ohira_Agreement_1.jpg 図1 トヨタ自動車東日本の「宮城大衡工場」。本社機能も備えている

 トヨタ自動車東日本は、トヨタ自動車のグループ会社で、「カローラ」などトヨタ自動車の小型車と、部品の製造を請け負っている。宮城県内に「宮城大衡工場」(図1)と「宮城大和工場」の2つの工場を保有しており、東日本大震災の際には支援物資の供給や緊急用車両の提供、社宅や寮の避難所としての提供など、さまざまな形で復興を支援した。

 トヨタ自動車東日本とトヨタ自動車は、東日本大震災の復旧活動を通して「人命救助や地域の早期復旧が事業復旧の大前提」と考え、企業と自治体が平時から連携することで、災害に強い地域を作るために今回の協定を考えた。

 協定では、人命救助、食料、飲料水、非常用車両の提供のほかに、一時避難場所の提供や物資保管場所の提供、災害関連情報の提供など、工場の施設を利用した支援を実施するとしている。

 工場が保有する自家発電設備を利用して、周辺地域に電力を供給することも検討するとしている。このように、自動車工場の設備を利用した地域支援は、トヨタ自動車が掲げている「F-グリッド構想」を具体化したものだ(図1)。

Toyota_Ohira_Agreement_2.jpg 図2 F-グリッド構想の概要

 F-グリッド構想を見ると、非常時に限らず平時から工業団地全体と周辺地域のエネルギーを工場で管理するという目標を掲げている。今回の協定では非常時に限った電力供給になるが、電力自由化が進んだら平時も電力を供給するということが視野に入る。一般的な世帯が電力会社ではなく、周辺の工場から電力を購入するということが可能になる日が来るかもしれない。

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