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» 2012年12月21日 11時00分 UPDATE

キーワード解説:エアコンや冷蔵庫の中心部「ヒートポンプ」

エアコンや冷蔵庫といった機器が、どのようにして冷気を作り出すか疑問に思ったことはないだろうか。自然現象を応用して冷凍、冷房だけでなく加熱も実現する機器が「ヒートポンプ」だ。

[笹田仁,スマートジャパン]

 「ヒートポンプ」とは、熱を移動させて冷却と加熱を実現する機器。移動させる方向を変えれば冷凍・冷房にも加熱にも使える。ヒートポンプを利用した機器の中でも有名なものとしてはエアコンが挙げられる。

 エアコンを例にしてヒートポンプの動作を説明しよう。エアコンの室内機と室外機は配管で環状につながっている。中には「冷媒(熱媒)」という物質が入っており、環状の配管の中を循環している。

 空気と同じように冷媒は圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がる。ヒートポンプは電気の力を利用して冷媒を強い力で圧縮し、高温の気体にする。高温になった冷媒が寒い室内にある室内機に回ると、室内に熱を放出して液体になる。その結果、室内が温まる。気体が液体になるときに放出する熱を「凝縮熱」と呼ぶ。

 熱を放出して液体になった冷媒は温度が下がる。今度は膨張弁を使って冷媒の圧力を急激に下げ(膨張させ)、温度をさらに下げる。十分に冷たくなった冷媒が室外機に回ると、外気の熱を吸収して温度が上がる。温度が上がった冷媒を再び強く圧縮し、室内機に送れば室内に熱を放出する。

 冷房運転時は冷媒が反対方向に循環する。冷媒を急激に膨張させて温度を下げ、室内機に送り込む。すると冷媒が蒸発して周囲の熱を奪い、室内を冷やす。液体が蒸発する、つまり気体になるときに周囲から受け取る熱を「蒸発熱(気化熱)」と呼ぶ。

 あとは気体になった冷媒を強く圧縮し、さらに温度を上げて室外機に送る。すると熱を外気に放出して液体になり膨張弁に戻ってくる。

 夏の暑い外気に熱を放出できるのかと思う人もいるかもしれないが、熱は高いところから低いところに移動する性質がある。冷媒を圧縮し、外気よりも温度を高くして室外機に送り込めば外気に向かって熱が移動する。冬の寒い外気から熱を吸収する原理も同じだ。膨張弁で急激に膨張させ、外気よりも十分に冷たくなった冷媒を室外機に送ると、外気よりも温度が低い冷媒に熱が移動するのだ。

 ヒートポンプは自然界にある熱を利用するため、効率良く熱エネルギーを得ることができる。一般社団法人ヒートポンプ・蓄熱センターによると、1のエネルギーを投入すると6の熱エネルギーを得られる。

 ヒートポンプを利用している機器としてはエアコン、冷凍冷蔵庫のほかに自然冷媒ヒートポンプ給湯機(エコキュート)などが挙げられる。

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