新電力のエネットが富山県で契約獲得、年間20万kWh以上を供給へ電力供給サービス

富山地方法務局が県内4都市にある施設の電力供給者を一般競争入札で決定した。2つの施設は北陸電力が受注したが、残りの2つは新電力のエネットが獲得。4月からの1年間に合計で20万kWh以上の電力を供給する。ただし平均単価は北陸電力が落札した2か所と比べて2割前後も高い。

» 2013年02月08日 09時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 富山県内の登記事務を取り扱う富山地方法務局は、県内の4都市(富山市、砺波市、高岡市、魚津市)に本局と支局がある。この4つの施設で4月から1年間に使用する電力の供給者を一般競争入札で決定した。富山本局が入居している合同庁舎と砺波支局は北陸電力が落札したが、高岡支局と魚津支局は新電力の最大手エネットが契約を獲得した(図1)。

図1 エネットの落札結果。出典:富山地方法務局

 それぞれ調達内容と落札結果だけが公表されていて、何社が応札したかは不明である。4つの施設の落札結果を比較してみる。

合同庁舎:契約電力182kW、年間使用予定量40万5190kWh、落札価格668万5802円(税別)、北陸電力

砺波支局:契約電力44kW、年間使用予定量10万3510kWh、落札価格167万2032円(同)、北陸電力

高岡支局:契約電力91kW、年間使用予定量12万5730kWh、落札価格256万9254円(同)、エネット

魚津支局:契約電力66kW、年間使用予定量10万1150kWh、落札価格196万1531円(同)、エネット

 上記の落札価格を年間使用予定量で割って平均単価を計算すると、北陸電力が落札した合同庁舎と砺波支局は16.50円と16.15円になる。これに対してエネットが落札した高岡支局と魚津支局は20.43円と19.39円で、2割前後も高い。

 電気料金は契約電力による基本料金と使用量に応じた電力量料金で決まるため、単純な比較はできないものの、北陸電力とエネットの価格差は著しい。通常は電力会社よりも安い電気料金になるように新電力を選ぶものだが、今回の富山地方法務局のケースでは逆になっている。いずれも最低価格を選ぶ一般競争入札で実施されていることから、意外な結果と言える。

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