3台の風車でグループ全体の10%の電力を発電、2号機と3号機が稼働開始へ自然エネルギー

外食大手のワタミは風力発電事業を手掛ける企業と連携し、再生可能エネルギー市場を推し進めていく。現在建設中の2台の風力発電機の事業に、出資、資金貸付という形で事業に参画する。

» 2013年02月13日 07時00分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 今回ワタミが提携した企業は「株式会社市民風力発電」。2001年創業で本社を札幌市に置いている。社名が示す通り、発足時の資金は市民からの出資でまかなっている。現在、北海道、東北、関東、北陸で14基の風力発電機を運営している。

 現在、市民風力発電は秋田県秋田市向浜と秋田県由利本荘市西目で、それぞれ最大出力が2MWになる巨大な風車を建設している。ワタミはこの2基の建設と事業に出資、資金貸付という形で参画する。秋田市向浜の発電機は2013年5月、由利本荘市西目の風力発電機は2013年6月にそれぞれ竣工し、稼働を始める。1台当たりの年間発電量はおよそ450万kWhと見ている。発電した電力は東北電力に全量売電する。

 ワタミはかつて、秋田県にかほ市の市民風力発電プロジェクトに資金を拠出して風車建設を支援している。この発電機は2012年3月から稼働している(図1)。最大出力が2MWで年間発電量がおよそ450万kWhというところは、現在建設中の2基と変わらない。すでに稼働しているにかほ市の発電機に加えて、建設中の2基が稼働を始めると、ワタミグループで消費している電力量の10%に相当する電力を発電するという。

図1 ワタミの出資で完成した風力発電機。秋田県にかほ市で2012年3月から稼働している。最大出力は2MW。出典:ワタミ

 ワタミは再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用して、2020年までにワタミグループ全体で消費する電力と同等の電力を再生可能エネルギーを利用して発電することを目指している。

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