節電協力にインセンティブ、東京電力の管内で通年に拡大エネルギー管理

NTTファシリティーズは2012年度の夏と冬に実施した「ネガワットアグリゲーション」を2013年度から通年のサービスに拡大する。東京電力と高圧契約(50kW以上)を結んでいる法人が対象で、平日に電力会社の要請に応じて使用量を抑制するとインセンティブが支払われる。

» 2013年03月15日 11時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 もともと「ネガワットアグリゲーション」は東京電力が2012年夏のピークカット対策として公募して選んだアイデアである。NTTファシリティーズと新電力のエネットが共同で提案したもので、両社は東京・関西・北海道で夏や冬の節電期間中にサービスを実施してきた。NTTファシリティーズは需要抑制の効果が大きいと判断して、4月から東京電力の管内で通年のサービスに拡大する。

 ネガワットアグリゲーションの仕組みはわかりやすい。夏の昼間などに電力の需要が増大して供給を上回りそうな状態になると、電力会社が需要抑制の依頼を出す。それに応じて利用者が電力の使用量を抑制すれば、削減した電力に対してインセンティブ(協力金)が支払われる。この全体を取り仕切るのがアグリゲータの役割だ(図1)。

図1 「ネガワットアグリゲーション」の仕組み。出典:NTTファシリティーズ

 東京電力と高圧(50kW以上)の契約を結んでいる法人が対象で、30分単位の電力使用量を測定できるデマンドコントローラやBEMS(ビル向けエネルギー管理システム)を導入していることが条件になる。ただし同様の需給調整契約を東京電力や他の事業者と締結している場合は対象外である。

 NTTファシリティーズは3月29日(金)まで申し込みを受け付けて、4月1日(月)から1年間のサービスを開始する。電力会社が需要抑制を依頼する時間帯は平日の9時〜12時、13時〜16時、16時〜19時のいずれかになる。依頼内容はNTTファシリティーズから利用者に対してメールで送られるほか、BEMSの画面に履歴を表示することもできる(図2)。

図2 需要抑制依頼や節電実施状況を表示したBEMSの画面例。出典:NTTファシリティーズ

 協力金の算出方法や単価などの詳細は公表されていない。ただし少なくとも利用者から見て魅力的な収入を得られる形で設定するはずだ。当然ながら協力金のほかに電気料金そのものを削減できる効果もある。

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