太陽光発電の採算性が高くなる、独自のバックコンタクト技術で発電効率アップ

太陽電池モジュールの供給量において世界第3位のトップクラスメーカーであるカナディアン・ソーラー。新技術の採用により発電効率を格段に高めた新世代太陽光発電「BLACK X(ブラックエックス)」シリーズを武器に、日本市場においても存在感を増している。その躍進に裏付けられた同社の技術やサポート体制を解説いただくとともに、日本市場に向けた戦略について、カナディアン・ソーラー・ジャパン マーケティング部 部長の高嶋健氏に話を伺った。

» 2013年04月01日 10時00分 公開
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太陽電池市場において、“新世代の太陽光発電”と称される新製品「BLACK Xシリーズ」が注目を集めています。どのような点が評価されているのでしょうか。

「今年は、日本市場が世界のメジャー市場へと飛躍する年になる」と話す、カナディアン・ソーラー・ジャパン マーケティング部 部長の高嶋健氏

高嶋:この度ブランドを一新させ、市場へ再リリースした新世代太陽光発電「BLACK X(ブラックエックス)」シリーズは、バックコンタクト技術を採用した画期的な新製品ラインアップです。従来モデルよりも変換効率を約7%向上させました。

 従来型の太陽電池には、実は技術的な矛盾があります。発電量を増やすために、より多くの太陽光を受けることが求められますが、太陽電池モジュールの表面に配線されるバスバーが影をつくり、その分、受光できず、構造上、発電ロスが出ていました。太陽電池メーカーにとって、このバスバーをモジュールの表面から取り去ることが、長年の課題だったのです。

 こうした課題に対して、ようやく近年に「バックコンタクト技術」と呼ばれるバスバーをモジュールの裏面に施す手法が開発されました。BLACK Xシリーズでは、独自開発の「ELPS(エルプス)」と呼ぶメタルラップスルー方式のバックコンタクト技術を導入しています。

 高効率で高性能な単結晶ブラックセルをベースに、X電極を中心に放射状のグリッドパターンを形成する「Xグリッドパターン」を採用、集電効率の向上やグリッドでの電流損失の低減を図りました。これらの技術と、ELPSバックコンタクト技術の組み合わせによって、発電効率を飛躍的に向上させることに成功しました。

新世代太陽光発電「BLACK Xシリーズ」は、ELPSおよびXグリッドパターンといった独自開発の新技術を結集し、従来モデル比で変換効率を約7%向上させた製品ラインアップ

バックコンタクト技術は、現時点ではまだ採用しているメーカーが非常に限られている革新的な技術です。その中で、御社が独自に開発したバックコンタクト技術ELPSの特長や強みを教えてください。

高嶋:バックコンタクト技術を採用したモジュールを商品化しているメーカーが数社ありますが、細微加工が必要なため、製造コストがアップする傾向にあります。

 バックコンタクト技術を使用した太陽電池製品の定価と、従来型結晶モジュールのワット単価(1Wあたりの単価)を比較すると、50〜100円ほど高くなっています。一方、当社が開発した、メタルラップスルー方式によるバックコンタクト技術のELPSは、従来の製造設備を少し加工するだけで製品を生産できるのが特長です。当社の場合、従来モデルとの価格差は20〜30円程度で済みます。一概に、定価が製造コストに直結している訳ではありませんが、カナディアン・ソーラーでは、できる限り、コストを上げずに新技術の導入を図りました。

 新技術を採用した高性能な製品でありながら、比較的お求めになりやすい価格で提供できるのが強みです。

「BLACK Xシリーズ」は、どのようなユーザーに向いているのでしょうか。

高嶋:日本の住宅は、屋根の面積が狭くて複雑な場合が多いため、高効率な太陽電池モジュールが好まれる傾向にあります。そのような環境下で、少しでも発電量を増やして売電できるようにしたいというお客様には、BLACK Xシリーズがお薦めです。

 住宅密集地に見られる狭小屋根、一般的な切妻屋根や寄棟屋根、陸屋根でも、設置容量を増やせないかご検討されているお客様。

 また、最近、10kW以上の集合住宅や、50kW未満の小型産業用システムの導入を検討されているお客様からのお引き合いが増えています。

製品に自信があるからこそ提案できる「25年間出力保証」

売電や初期投資コストの回収などを考えると、とにかく停止せずに「発電し続けること」を要求する声が高いようです。そうしたユーザーのニーズに対して提案できることはありますか。

高嶋:当社は業界に先駆けて、いち早く「25年間出力保証」を提供させていただきました。他社の保証では、例えば10年目までは90%の出力保証をしますが、10年目以降はそれが80%まで下がってしまうといったケースが一般的です。しかし、当社の「リニア保証」は、1年目では97%、その後は約0.8%刻みに出力保証範囲が減少する制度となっています。品質や性能に自信があるからこそ、このような長期間にわたって安心いただける保証システムを提案できるのです。

導入やメンテナンス・サポートに関して、不安を持たれるユーザーもいるようです。

高嶋:当社製品は、日本でもすでに約2万件もの導入実績があります。製品導入に際して必要となる周辺機器、設置する架台や部品は、すべて当社で信頼性を確認した国産製品の中から、お客様の状況に合わせて最適なソリューションを選定し、設計を行います。

 また、施工や取り付けについては、当社の実施する研修へ定期的に参加し、認定資格を取得している業者だけが対応します。修理やアフターサービスを行う拠点は全国40都道府県に70カ所あり、迅速な対応が可能です。

海外と比べ高性能かつ高効率発電システムを好む日本ユーザー

日本市場における海外メーカーの位置づけは。

高嶋:太陽電池はすでに世界で幅広く利用されていて、全世界の太陽電池設置実績は90GWに達すると想定されます。一方、日本市場の設置規模はその10分の1程度です。東南アジアのように日本よりも厳しい高温多湿な気候や、高温、低温の差が著しい砂漠地域、大型のハリケーンが襲来する北米南東部など、日本より厳しい気候環境で、海外製品が多くの大規模プロジェクトで採用されているのは、品質がそれだけ評価されている証しでしょう。カナディアン・ソーラーは、そうした中で世界3位の供給量を確保するまでに至っています。世界の様々な環境で、当社製品の信頼性を買っていただいているということです。決して日本製品に劣るところはないと自負しています。

日本の太陽電池市場がこれからどのように進展していくと予測していますか。また、今後の展望を教えてください。

高嶋:国内住宅市場特有の動向として、バックコンタクト技術を採用した太陽電池モジュールが非常に好まれ、普及が進んでいる点に着目しています。他社製品も含め、国内の太陽電池全体に占めるバックコンタクト技術対応製品の割合は、すでに20〜30%ほどに達し、さらに今年は30〜40%まで伸びる勢いです。海外では見られない傾向と言えます。

 こうした背景の要因として、まず挙げられるのが、日本ユーザーが新しい技術に対して敏感だということです。また、先ほどお話ししたように、屋根の面積が狭くて複雑化している住宅事情もあります。

 裏を返せば、日本市場こそが世界の太陽電池市場の中で、次世代に向けて新技術への転換を進めていくトップランナーになる可能性がある。そして、日本市場における太陽電池の導入量は、おそらく今年1年間で300万kWを超え、日本市場が世界のメジャー市場へと飛躍する年になると見ています。

 今後の日本市場が、世界の先進的な再生エネルギー機器を積極的に導入し、私たちも一緒に市場を盛り立てながら強化を図っていく。そんなプロセスを踏んでいけたらと考えています。世界の再生可能エネルギー市場をけん引するのは日本市場。いよいよそんな時代に突入したように思います。

新世代太陽光発電「BLACK Xシリーズ」を支える2つの新技術

 独自開発のバックコンタクト技術「ELPS」は、一般に太陽光電池セルの表面に施されるバスバーと呼ばれる太い電極を裏面に配置することを可能にした。太陽光を遮っていたバスバーを裏面へ移すことで、集光量が高まり、発電量を増大させる効果がある。国内他社との違いは、メタルラップスルー方式の採用により、既存の製造設備を活用しながら、追加投資を抑えて生産できるようにした点だ。画期的な新技術を搭載しながら、安価に製品を提供できるのが強みとなっている。

 これに加え、高効率・高性能な単結晶ブラックセルを用い、X電極を中心に放射状のグリッドを形成する「Xグリッドパターン」を採用。グリッドでの電流損失を抑え、集電効率を高めた。

 BLACK Xシリーズでは、ELPSおよびXグリッドパターンといった新技術を結集することで、従来モデルと比較して変換効率を約7%向上させている。

従来のセルレイアウト:モジュールの表面に施されたバスバーが太陽光を遮り、十分な受光量が得られなかった。→ELPS(エルプス)・バックコンタクト技術バスバーをセル表面から裏面へ移すことで、受光量を高め、発電量を増大できる。
Xグリッドパターン:X電極を中心に放射状のグリッドパターンを形成。集電効率を向上できる。

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提供:カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2013年4月30日

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