冬のピークカット9%を達成したJR北海道、駅・電車・オフィスで節電エネルギー管理

7%の節電目標が設定された今冬の北海道で、JR北海道が9%のピークカットに成功した。駅や電車内で可能な範囲の照明を削減したほか、一部の電気機器を新型に入れ替え、オフィスの照明・空調・OA機器の電源管理を強化するなどの節電対策が効果を発揮した。

» 2013年04月16日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 JR北海道は政府から「支障が生じない範囲の節電実施」の要請を受けて、2012年度の冬は2010年度と比べて最大電力を6%削減する目標を設定していた。駅や電車内、オフィスでも節電対策を強化した結果、夕方16時以降の電力需要が最大になる時間帯で目標を上回る9%のピークカットを実現することができた(図1)。

図1 JR北海道の最大電力削減状況(2012年12月10日〜2013年3月8日の節電実施対象日)。出典:JR北海道

 今冬の北海道は例年以上に寒さが厳しかった。2010年度と比べて気温が低く、北海道電力の管内全体では最大電力の削減率が5%弱にとどまった(図2)。これと比べてJR北海道の削減率は大幅に上回る結果になった。

図2 北海道電力の最大電力と当日の平均気温の推移。出典:北海道電力

 JR北海道の節電対策は駅・電車内・鉄道設備・オフィスの4分野で実施した。駅では自動券売機の一部停止や構内・ホームの照明減灯を実施する一方、鉄道利用者の利便性に影響するエレベーター、エスカレーター、案内サインなどは通常通りに稼働させた。電車内の照明は室内灯を間引いても十分な明るさを確保できる一部の車両に限定して実施した。

 このほか線路の切り替え部分(ポイント)に設置している電気融雪器の制御盤を新型に交換して消費電力を削減した。オフィスではピーク時間帯を中心に照明の減灯やOA機器の使用停止を拡大した。

 JR北海道の取り組みを見ると、どの企業でも工夫次第で無理のない節電対策を拡充する余地があることを示している。特に電気機器を新型に交換して消費電力を抑制する対策は効果的だが、まだ十分に実施していない企業が多くある。各地で電気料金の値上げが相次いでいることもあり、夏の節電期間を前に新しい対策の検討を早めに始める必要がある。

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