住宅で使う電力を自動抑制、まずは通信方式が固まるエネルギー管理

経済産業省が置いたJSCAスマートハウス・ビル標準・事業促進検討会では、スマートハウスに必要な標準化を進めている。今回、HEMSと8つの重要機器の間の通信方式を決め、運用ガイドラインを公開した。中小企業の参入を促すものだという。

» 2013年05月20日 13時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 スマートハウスの標準化が進んでいる。スマートハウス化の最大の目的は各家庭のリアルタイムの電力需要を電力会社が把握することと、需要側抑制(デマンドレスポンス)によるピークカットやピークシフトの自動化だ。

 そのためにはスマートメーターに接続するさまざまな電気機器の標準化、通信部分の標準化が必要だ。経済産業省は、8つの機器を重点として、通信方式を定めようとしている。8つの機器とは、スマートメーターBルート*1)、太陽光発電、蓄電池、燃料電池、電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド社(PHV)、エアコン、照明機器、給湯器だ。

*1) 電力会社からスマートメーターまでの経路をAルート、スマートメーターからHEMSまでの経路をBルートと呼ぶ。

 2013年5月、このうち、HEMSと重点機器との通信に使う通信方式や通信手法、データ形式などが固まった。2013年5月に開催されたJSCAスマートハウス・ビル標準・事業促進検討会(経済産業省)の第3回会合で決まったものだ*2)

*2) 2011年11月に経済産業省が置いたスマートハウス標準化検討会では、2012年2月に中間とりまとめを公開。5つの課題を公開した。2012年6月には、5つの課題に対する工程表作成などの目的のために、今回のJSCAスマートハウス・ビル標準・事業促進検討会(第1回)が立ち上がっている。なお、第2回ではデマンドレスポンスタスクフォースを設置し、標準化を急ぐことになった。

 同検討会が議論の対象としている5つの課題の位置付けは図1の通りだ。今回公表された内容の概要を図2に示す。

図1 5つの課題の位置付け。出典:経済産業省
図2 5つの課題についての決定事項。出典:経済産業省

 このうち、重点機器の下位層については検討を終了し、図2の内容が確定した。重点機器の運用マニュアルについては第1.0版を作成したものの、EV・PHVに関する部分が残っている。HEMSとEV・PHVの充放電システム間のコマンド定義などだ。デマンドレスポンス(DR)技術については、電力会社とアグリゲーター間の自動DR(ADR)を電力会社側で検討することになった。2013年夏には一部の電力会社が試行的にADRを導入する。

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