2013年の太陽光は日本市場が世界最大に、高いシステムコストも一因自然エネルギー

米国の調査会社IHS iSuppliは太陽電池市場について、2013年の金額ベースの市場規模を予測。日本が世界最大の200億米ドル規模に成長すると予測した。理由を2つある。まず、日本のFITが魅力的であり導入量が急激に増えることだ。次に、システムコストが高いことである。2つの理由が「かけ算」の形で効いてくるため、市場規模が膨らむ。

» 2013年06月06日 11時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 2013年は日本の太陽電池市場が、ドイツや中国を上回って世界最大になる――米国の調査会社であるIHS iSuppliの予測だ。

 同社の予測は金額ベースのものだ。2013年の市場規模予測は、1位が日本、2位が中国、3位がドイツというもの。ドイツは2009年から2012年まで首位だったが、欧州市場の落ち込みと軌を一にしており、3位となる。

 世界に占める日本市場の比率は年を追うごとに増えており、2011年の9%、2012年の14%に対し、2013年には4分の1近い24%まで高まるという(図1)。

図1 日本(緑)と日本以外(空色)の太陽光発電市場の比率。合計が100%。出典:IHS iSuppli

 日本市場の占める比率が高まると予測した理由をIHS iSuppliは2つ挙げている。第1に2012年7月に始まった固定価格買取制度(FIT)だ。FIT開始前、2012年の第1四半期(1〜3月)の導入量は0.4GW、これが導入後、2013年の第1四半期には1.5GWまで成長している。この傾向は2013年中続くとした。これにより、2012年の市場規模110億米ドルが2013年には200億米ドルまで、82%増加するという。なお、同期間における世界市場の成長率は4%にすぎない。IHS iSuppliは日本のFITの買取価格を太陽光産業にとって「非常に魅力的」だと評価している。

 第2の理由は、日本に導入されている太陽光発電システムのシステムコストが世界市場と比較して割高なことだ。導入量(GW)ベースでは中国、日本、ドイツの順であると予測しており、導入量において2位の日本が、金額ベースでは1位になる理由がこれだ。

 なお、IHS iSuppliは海外企業がどのように日本市場に参入して行くかという絵も示した。2013年において住宅市場の比率は下がるものの40%を占める。そうしたなか、住宅市場は海外企業が参入しにくい状態のままだと予測した。出力別に見ると1MW以上の区分が2013年には最も成長率が高いという。成長率は500%以上と予測した。ここでは海外企業が日本国内のデベロッパーと組むことが容易であり、海外企業の主戦場になると予測した。

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