ガス会社がメガソーラーに参入、ガスと組み合わせ、埼玉県から全国へ自然エネルギー

液化石油(LP)ガスを手掛けるサイサンは、再生可能エネルギーに軸足を1歩ずらした。埼玉県に建設したメガソーラーではLPガス発電機器と同時に展開、今後、青森県や山口県にもメガソーラーを広げていく。

» 2013年06月17日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 エネワンソーラーパーク寄居の位置。出典:サイサン

 液化石油ガス(LPG)を販売するサイサンは、LPGと組み合わせたメガソーラー事業を開始した。2013年6月に完成した埼玉県寄居町に約9億円を投じた「エネワンソーラーパーク寄居」(出力約2.6MW)だ。

 「東日本大震災以来、再生可能エネルギーの必要性が高まっている。普及拡大についての国の方針もある。当社は再生可能エネルギーではないが、エネルギー事業者であるため、自治体と協力し、メガソーラー事業を展開していく」(サイサン)。

 同社は埼玉県が企画提案方式で募集した事業者として2012年8月に8社の中から選ばれている。地元に貢献する企画として、4点を挙げており、中でも2点に特徴がある。1点目は、LPガスを使った災害対策型エネルギー供給システムを寄居町に10基寄付することだ。発電の他、調理・暖房にも使える装置である。2点目は、年間発電量の3.5%(約400万円)を寄居町などに寄付することである。エネルギーの地産地消、供給分散という点から意義深い。

図2 現地の様子。出典:サイサン

 エネワンソーラーパーク寄居は、埼玉県環境整備センターの廃棄物埋立跡地(約5万3000m2)に建設した(図2)。1平方m当たり年間75円で建設開始後20年間の契約で賃借した土地である。設計・調達・建設(EPC)は森和エナジーに依頼した。1万6384枚の太陽電池モジュールを設置し、年間発電量として278万kWhを見込む。全量を東京電力に売電する。

 2013年度中にはさらに青森県六ヶ所村と山口県防府市でもメガソーラーの運営を開始する計画だ。

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