蓄電システムのリサイクル処理、エリーパワーが全国で実施へ蓄電・発電機器

電力のピークシフトなどの用途で企業や家庭の導入が増えている蓄電システムだが、ある程度の期間が経つと寿命を迎えて廃棄処理が必要になる。蓄電システム大手のエリーパワーは環境省から「広域認定」を取得して、全国で回収とリサイクルを実施できる体制を整えた。

» 2013年07月04日 13時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 蓄電システムは通常の家電製品と比べて廃棄処理に専門知識が必要で、内蔵の大型リチウムイオン蓄電池は一般の処理施設では解体が難しいとされている。今後の回収・リサイクルを円滑に実施するために、エリーパワーは製造事業者に認められる「広域認定」を環境省から取得した。今後は自治体の許可を得なくても、沖縄を除く全国各地で廃棄物として処理できるようになる。

 エリーパワーは企業や家庭で使えなくなった蓄電システムを回収して、解体後に部材を再利用できるようにする(図1)。リチウムイオン電池を含めて処理を施すことによって、鉄・銅・アルミニウムなどの金属やプラスチック類を取り出す。すべての部材をリサイクルできるため、埋め立てが不要になるメリットも生まれる。

図1 蓄電システムの回収・リサイクルの流れ。出典:エリーパワー

 回収の対象になるのは可搬型の蓄電システムである企業向けの「パワーイレ」と家庭向けの「パワーイレ・プラス」の2製品である(図2)。規模の大きい据置型の蓄電システムにも同様のリチウムイオン電池が内蔵されているが、現時点では回収・リサイクルの対象に入らない。

図2 回収の対象になる蓄電システム(左)とリチウムイオン電池(右)。出典:エリーパワー

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