中部電力が猛暑にも耐える2817万kWを供給可能、火力を続々増強電力供給サービス

中部電力が火力発電の強化に向けた動きを進めている。2013年7月に上越火力発電所を増強し、同12月には西名古屋火力発電所にある石油火力を最新のガス火力に置き換える工事を開始する見込みだ。いずれも高効率なコンバインドサイクル発電方式を取り入れることで出力を高める。今夏の需給率も十分に余裕のある水準に調整できるとした。

» 2013年07月17日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 中部電力が夏季に向けて電力の供給能力を高めている。2013年7月には新潟県上越市に高効率コンバインドサイクル発電方式を取り入れた上越火力発電所2-1号(出力57万5680kW)を増強(図1)、2013年1月に運転を開始した同1-2号と合わせて110万kW以上の出力を得たことになる。

図1 上越火力発電所。出典:中部電力

 同社によれば、2013年7月時点の今夏の最大供給電力の見積もりは、火力発電と水力発電を合わせて2817万kWだという。これは十分な供給力なのだろうか。

 猛暑だった2010年の最大需要電力は2709万kW。しかし、この時点では節電ムードはなかった。同社は今夏の節電効果を2012年と同程度と見込み、109万kWの節電が可能とした。これにより、今夏の最大需要電力は2585万kWになるというのが同社の想定だ。需給率に換算すると91.7%となり、これは十分余裕のある数値だといえる(図2)。

図2 2013年8月の電力需給見通し。出典:中部電力

 中部電力の供給能力増強は今後も続く。約1年後の2014年5月には上越火力発電所の2-2号(出力57万5680kW)がさらに追加されるからだ。

 この他、愛知県飛島村にある西名古屋火力発電所を石油火力から最新のガス火力に更新する計画が大詰めだ。上越火力発電所と同様に高効率コンバインドサイクル発電方式を導入する。

 2013年7月には書類審査の最終段階である経済産業大臣に対する環境影響評価書の届出を終え、2013年内にも工事に着工、2017年9月から順次運転を開始する見込みだ。これにより、供給能力を石油火力と比較してさらに112万6000kW積み増すことができる。

 2017年にはもう1つ動きがある。シェールガスの導入だ。同社は大阪ガスと共同でシェールガスの液化加工契約を米社と締結しており、日本向けにシェールガス由来のLNGを輸入できる見込みだ。

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