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» 2013年07月30日 07時00分 UPDATE

スマートシティ:洋上風力と火力発電所を新設、北九州市の臨海地域にエネルギー拠点

風力発電を中心に地域のエネルギー供給体制の強化を急ぐ北九州市が、新たに大規模な発電所の建設を柱とする中長期計画を発表した。石炭とLNGの輸入基地を生かして高効率の火力発電所を建設するほか、洋上風力発電設備も2016年度の稼働を目指して8月から検討を進める。

[石田雅也,スマートジャパン]

 北九州市の環境局が「北九州市エネルギー拠点化推進事業」を7月26日に発表した。地域のエネルギー供給体制を強化すると同時に、新成長戦略の主要プロジェクトとして取り組む計画で、全国の政令指定都市の中で最も先進的な内容を含んでいる。

 主なプロジェクトは4つあって、いずれも8月から検討を開始する予定だ。特に注目すべきは火力発電所を新設することで、中規模な発電所を2016年度に、大規模な発電所を2020年度に稼働させることを目指す(図1)。大規模な火力発電所は10万kWクラスを想定して、実績のある事業者を募集する方針だ。

kitakyushu_schedule_sj.jpg 図1 「北九州市エネルギー拠点化推進事業」の主なスケジュール。出典:北九州市環境局

 北九州市が地域エネルギーの拠点を建設する場所は、臨海地域の「響灘(ひびきなだ)地区」である(図2)。この地区一帯には大型のコンテナ船ターミナルのほか、石炭輸入基地があり、さらにLNG(液化天然ガス)の輸入基地を建設中だ。火力発電用の燃料を効率的に調達でき、事業者にもメリットがある。

 新規の発電所建設に向けて、専門家と事業者をメンバーに加えて「火力発電立地検討部会」を8月23日から開催する。火力発電所は石炭や天然ガスを使った大規模な設備のほかに、バイオマスを含む中規模な発電所も合わせて検討することにしている。総事業費は大規模な発電所が2000億〜4000億円、中規模な発電所が100億〜200億円を見込む。

kitakyushu_sj.jpg 図2 「北九州市エネルギー拠点化推進事業」の候補地(画像をクリックすると拡大)。出典:北九州市環境局

 一方の風力発電では、すでに響灘地区には15MW(メガワット)の大規模な発電所が稼働中で、さらに3社の事業者が発電所の建設を決めた。沖合1.4キロメートルの洋上では、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とJ-POWER(電源開発)が6月から実証実験を開始したところだ。

 北九州市は響灘地区の沖合を洋上風力の候補地として、火力発電と同様に「洋上発電立地検討部会」を8月下旬から開始する予定である。参加メンバーに事業者を想定していないことから、洋上風力発電プロジェクトは北九州市みずからが取り組む可能性が大きい。総事業費を1000億円と見込んでいて、かなり大規模な発電設備になることが予想される。

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