日本で最も多くの電力を生む水力発電所は?ウイークエンドQuiz(2/2 ページ)

» 2013年08月09日 17時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
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正解:

 e.静岡県

ミニ解説

 日本にある揚水発電所以外*1)の水力発電所を出力順に並べると、奥只見発電所(福島県、56万kW)、田子倉発電所(福島県、40万kW)、佐久間発電所(静岡県、35万kW、図1)、黒部川第四発電所(富山県、33万kW)の順になる。1位から3位まではJ-POWERが電気事業者であり、黒部川第四は関西電力だ。これらの数字を見ると、正解はbの福島県に思える。

図1 佐久間発電所(静岡県浜松市)の位置

 そうではない。水力発電の年間総発電量は天候条件などにも左右されるため、順位が多少揺らぐものの、50年以上にわたって最も1位になった回数が多いのが佐久間発電所だ。通常は14億kWh程度の電力量だが、1991年には18億3000万kWhの最高記録を達成、これは最も条件のよい山梨県に設置したメガソーラーに換算すると出力1500MW(1.5GW)の年間総発電量に相当する。

 佐久間発電所に水を供給しているのは佐久間ダムだ。佐久間ダムは天竜川の水を蓄えており、有効貯水量は2億m3に達する。ただし、有効貯水量の大きさでも、佐久間ダムは1位ではない。奥只見ダムが1位であり3位には田子倉ダムが並ぶ。奥只見ダムの貯水量は佐久間ダムの2.2倍だ。いずれのダムも発電用ダムとして建設された。

*1) 揚水発電所を考慮に入れると、最大出力193万kWの奥多々良木発電所(兵庫県)など10以上の揚水発電所の出力が100万kWを上回っている。しかしこれらの揚水発電所は純揚水式であり、自然河川からの水の流入がほとんどない。いわば「大容量蓄電池」のような使われ方をしている。

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