7月の電力販売量は前年比2.5%増、夕方以降の需要が要因か電力供給サービス

例年以上の暑さを記録した7月の電力販売量は前年と比べて2.5%増加した。小売が自由化されている高圧部門の伸びは2.0%増にとどまったが、その中でオフィスビル向けは3.9%の高い増加率になっている。昼間のピークは抑制できたものの、夕方から夜間に使用量が増えたと考えられる。

» 2013年08月20日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 電気事業連合会が9つの電力会社の販売量をまとめた速報によると、2013年7月の全国の電力販売量は前年比で2.5%の増加に転じた。今年度は4月〜6月の3カ月連続で前年の実績を下回ってきたが、7月の猛暑によって家庭と企業の双方で使用量が大幅に伸びた。

 利用者の規模別に見ると、家庭を中心とする低圧の「電灯」が3.2%増、小規模な工場・店舗などの「電力」が4.5%増だった。企業向けの高圧ではオフィスビルを対象とした「業務用」が3.9%の高い伸び率で、工場を中心とする「産業用」の1.0%増を大きく上回った(図1)。

図1 2013年7月の電力販売量と前月比/前年同月比

 一方で7月の最大電力(需要のピーク)を見ると、前年を上回った地域は中部・四国・九州の3地域だけで、残る6地域は前年の実績を下回っている(図2)。9地域の最大電力を単純に合計すると前年から1.2%の減少になっていて、昼間のピークは抑制できていることがわかる。

図2 2013年7月の最大電力と前年同月比

 それにもかかわらず販売量が増加したのは、暑さの残る夕方から夜間にも大量の電力が使われたからだろう。特にオフィスビルではピーク時間帯の14時前後は節電対策によって需要を抑えた半面、16時以降に冷房機器を使用する割合が大きくなった可能性がある。

 ピークを抑制すれば電力不足の危険性は回避できるが、月間の使用量が増えると電気料金の増加につながる。おりしも電気料金の値上げが相次いでいる状況を考えると、今後は月間を通した使用量の削減にも取り組みたいところだ。

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