1億円の設備を20万円にまとめ上げた三菱電機、HEMSと家電で何ができるエネルギー管理(2/2 ページ)

» 2013年08月29日 09時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
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 ファミリーカレンダー機能とは、料金ではなく、家族の生活パターンに応じて家電を制御する仕組みだ。カレンダー画面に予定を書き込んでおくと、外出や帰宅、就寝などの行動パターンごとに宅内機器を一括制御できることが特徴だ(図3)。

図3 ファミリーカレンダーの登録画面のイメージ。出典:三菱電機

 ファミリーカレンダー機能が役立つ例として分かりやすいのがエアコンの制御だ。在室予定を設定しておけば予冷運転を制御でき、約15%、消費電力を引き下げ可能だ(図4)。

図4 ファミリーカレンダー機能を使ってエアコンを自動制御した場合の効果。出典:三菱電機

 この機能の応用として、間取りごとに機器の運転を別の部屋から制御することもできる。これを間取りコントローラー機能と呼ぶ。

 以上の機能は専用アプリケーションをインストールしたAndroidタブレットから自宅内に限り、実行できる(図5)。図5の画面上部にある8種類のボタンは外出時などに家電の運転状況を一括制御するためのものだ。画面下部にある家のイラストからは、間取りコントローラー機能を利用できる。

図5 Androidタブレットの画面イメージ。出典:三菱電機

 三菱HEMSは対応する機器7種類を最大16台接続可能だ。機器とHEMSの接続には無線LANなどを利用する。ルームエアコンと都市ガスを使う燃料電池である「三菱エコキュート」の他、IHクッキングヒーター、冷蔵庫、換気設備である「エアフロー環気システム」、「三菱ヒートポンプ式温水暖房システム(エコヌクール)」、液晶テレビを接続可能だ。

太陽光や蓄電池から電気自動車や温度バリアフリーまで

 三菱HEMSは家電だけではなく、太陽光発電システムや蓄電池ともエネルギー計測ユニットを介して接続でき、家全体の電力のやり取りをAndroidタブレット画面で把握できる。

 今後は、住宅のエネルギーマネジメントやライフマネジメントを生かしたソリューションを2014年度に製品化する。具体的には2つある。1点目は太陽光発電システムと電気自動車を連携できるパワーコンディショナーだ。大船スマートハウスでの実証実験の成果を製品化するものであり、エネルギー自立型住宅の実現につながるという。2点目は高齢化社会に対応した「温度バリアフリー」を実現する次世代空調システムである。

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