ホテルが始めるメガソーラー、売電益を農産物購入に振り向ける自然エネルギー

スーパーホテルは三重県伊賀市で出力2MWのメガソーラー事業を開始した。土地を借りて発電所を建設し、固定価格買取制度(FIT)を利用して売電する。ここまではごく一般的なメガソーラーだ。違いはホテル事業で利用する農産物を地域から売電収益で購入する点だ。宿泊業ならではの取り組みだといえるだろう。

» 2013年09月18日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 三重県伊賀市と発電所の位置

 あらゆる業種に広がる発電事業。宿泊業も例外ではない。全国でホテルチェーンを展開するスーパーホテルは、約6億円を投じて出力約2MWのメガソーラー「スーパーホテルLohas太陽光発電所」を完成させた(図1、図2)。

 三重県伊賀市に位置する面積3万3000m2の土地を20年契約で借り受け、2013年2月に建設を開始していたもの。2013年9月に送電を開始した。設計・調達・建設(EPC)と管理・運営(O&M)は外部に委託した。年間200万kWhの発電を見込み、固定価格買取制度(FIT)を利用して全量を中部電力に売電する。売電収入として年間8000万円を見込む。

売電収益を農業と結び付ける

 同ホテルは経済産業省の「再生可能エネルギー発電事業を通じた地域活性化モデル開発支援調査事業」(2012年度)の採択を受けている。どのような狙いがあるのだろうか。

 「ホテルは電力を使うため、再生可能エネルギー事業に力を入れることには意味がある。さらに当社としては地域活性化と組み合わせたい。今回は伊賀市内にある当社のホテルで地元のお米や野菜を購入し、朝食で提供することにした」(同社)。これはメガソーラー事業の収益を地域内で循環させることを目的にしているためだ。特に地域の有機農業の振興や農産物の流通拡大、地産地消の促進をテーマとしている。

図2 スーパーホテルLohas太陽光発電所。出典:スーパーホテル

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