立地にあったマンションを提供する、そのときMEMSはどう役立つのかエネルギー管理

物件の立地や居住者層にあったマンションを個別に作り上げることを重視する。新日鉄興和不動産ではこのような開発方針でマンションを立ち上げている。同社が初めてMEMS(マンション・エネルギー・マネジメント・システム)を採用したマンションは2つあり、立地も居住者層もかなり異なる。これは立地にあったマンション作りという方針とは相反するのではないだろうか。

» 2013年11月06日 09時30分 公開
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 新日鉄興和不動産の中嶋章夫氏は20代の若手だ。住宅事業本部開発第二部開発第三チームに所属している。土地を購入する部門から、土地を引き受け、顧客にキーを渡すところまでが仕事だ。立地条件や主要顧客層を考慮した上で、マンションの仕様を決め、販売する。現場との交渉や近隣対策も職務に含まれる。

新日鉄興和不動産 住宅事業本部開発第二部開発第三チーム 中嶋章夫氏
ハミングテラス

 現在開発を担当しているのは、足立区扇に立地する「ハミングテラス」だ。山手線まで7分、大手町まで17分と都心まで快適にアクセスできる。最寄の日暮里舎人ライナー「高野」駅からは歩いて15メートル(駅徒歩1分)。ファミリータイプの3LDKのゆとりある間取りを2700万円台から購入できる物件だ。

 「30代手前で家族が増えたことをきっかけに、これまでの家が手狭になった方が購入されることをイメージしている」(中嶋氏)。

 居住者像がはっきりしているため、マンションの企画を明確に打ち出している。例えば玄関スペースだ。ベビーカーを押して玄関ドアをくぐったあと、そのまま鍵が閉められるよう、玄関スペースの長さを標準よりも長い1600mmとした。加えて、購入者の多様なニーズに答えるべく、ワンズセレクト(有償オプション)を採用している。キッチンの水栓だけでも、9種類から選ぶことができ、予算に合わせて自分らしく物件をカスタマイズできるのが魅力だ。さらに、選択したワンズセレクト商品は住宅ローンに組み入れることができるため、オプション代金の一括支払いは発生せずまとまった支出が必要ない。

 居住者は購入時の出費だけでなく、ランニングコストも気に掛ける。管理費や駐車場、インターネット接続費用などであり、電気料金もその1つだ。

 「MEMSを使った上手な節電で10%*1)の節約が可能であり、加えて電力一括受電サービスを導入しているため5%*2)*3)の割引が加わる。合計15%の電気料金節約が可能」(中嶋氏)。

*1)平成21年度スマートハウス実施プロジェクト報告書から
*2)(株)長谷工アネシス調べ
*3)一般方式と比較した場合

 これまで同社ではMEMSを導入した事例はなかったが、ランニングコストの削減につながるという点が開発担当として強く響いたため、導入を決意。提案を通したという。「普段の生活の中で電力は月末の請求書としてしか見えてこない。節電をしようと考えて電灯を消す、コンセントを抜くという行動を起こしても、どの程度意味があるのか分かりにくかった。MEMSであれば効果がすぐに分かる」(中嶋氏)。この気付きを顧客にも疑似体験してもらうため、ハミングテラスの販売センターにはMEMSの画面を映し出したタブレットを常備している。説明時に操作しながら電気料金を最大10%節約可能だということを紹介しているのだという。

節電金額以外の訴求点も

 加藤慎也氏は中嶋氏と同期の若手だ。仕事の内容もほぼ同じ。住宅事業本部開発第一部開発第二チームに所属しており、豊島区北大塚の「ハイコート大塚レジデンス」を担当している。マンションの立地条件は中嶋氏の物件とはかなり違う。山手線駅徒歩6分(JR大塚駅)、高台に位置し、永住できる邸宅をコンセプトとしており、ゆったりしたフロアプランをうたう。高額物件にふさわしい仕様と最新設備の導入も進めた。「利便性、都心性、邸宅性を打ち出した物件だ」(加藤氏)。

新日鉄興和不動産 住宅事業本部開発第一部開発第二チーム 加藤慎也氏
ハイコート大塚レジデンス

 「導入を決めたMEMSはハミングテラスと同じ、ファミリーネット・ジャパンの『me-eco(ミエコ)』だ。単なる見える化だけではなく、見える化、家電の遠隔コントロール(リモコ)、見守りという3つのサービスがそろっていることが決め手だった」(同氏)。

 この物件は基本的にはファミリー向けではあるが、山手線駅近という立地からみて、共働きで子どもがいないDINKS層も多くなると予想した。大塚駅と巣鴨駅の中間に位置し、巣鴨駅からはフラットなアプローチとなることからから、老後をゆったりと過ごす年配層や高齢者の方の購入も期待しているという。

 携帯電話からエアコンのスイッチをオンオフできるリモコの機能はDINKS層に合い、見守りサービスは高齢者層向きだ。どちらの層も最近の時代の流れで節電意識が高いことが考えられるため、ミエコ本来の機能も訴求するという判断だ。共用廊下の照明や浴室の照明をLED照明とし、共用部の電力も見える化することで、マンション全体で積極的に節電効果を高めていることも特徴だ。

付帯サービスも選択のポイントに

 HEMS(MEMS)サービスの中でファミリーネット・ジャパンを選択した理由はこれだけではないという。「最大の理由は電気料金を10%節約可能だということだ。これを実現するためにミエコのアラートメール機能が役立つと考える」(中嶋氏)。ミエコには月間の目標電気料金をあらかじめ設定できる機能がある。HEMS本来の「見える化」機能にあまり注意を払っていなかったとしても、限度額を超えた時点で携帯電話にメールが飛ぶため、節電を思い出すという仕組みだ。目標値を2〜3段階で設定可能なため、電気を使うペース管理としても使いやすいのだという。

ファミリーネット・ジャパンが提供するHEMS「me-eco(ミエコ)」

 HEMS本来の機能からは離れるが、ファミリーネット・ジャパンが提供する「eコンシェルジュ」サービスと「Azukal with MyCloak(アズカルウィズマイクローク)」がマンション居住者の利便性を高めるという判断もあったという。eコンシェルジュは、ファミリーネット・ジャパンのITサポートサービスを基盤とし、現在はコールセンター型のコンシェルジュサービスも提供している。美容院の予約や旅行の宿探しといったサービスを居住者が利用できる。「当社では提供できないものの、居住者の役に立つことは明らかだ」(中嶋氏)。アズカルは衣服のクリーニングと保管サービスであり、衣料専用倉庫に10カ月まで保管が可能だ。マンション居住者にオプションサービスとして提供する。

 マンション開発の視点から今後、HEMSに期待する機能はどのようなものなのだろうか。「居住者がどのようなアクションを取れば節電につながるのか具体的に教えてくれるサービスが欲しい。」(加藤氏)。「家電1つ1つをHEMSで自動制御する機能。これが可能になれば、10%どころではない節電が可能になると考える」(中嶋氏)。

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提供:株式会社ファミリーネット・ジャパン
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2013年12月5日

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