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» 2013年11月07日 13時00分 UPDATE

自然エネルギー:安全性を問われる風力発電、国際的な認証機関が日本でサービス開始

各地の風力発電所で落下事故が相次ぐ中、発電機の安全認証や発電所の性能評価を実施するサービスが国内でも始まる。風力発電の認証機関として世界第3位の実績を誇るULが、小型風力を皮切りに年末から来年にかけて、発電機メーカーと発電事業者を対象にしたサービスを展開する。

[石田雅也,スマートジャパン]

 ULは第三者認証機関として、電気製品をはじめ電気自動車や太陽光発電の分野で、安全認証や性能評価のサービスを世界各国で提供している。ヨーロッパを中心に風力発電の実績も豊富で、すでに1400社の顧客を抱えている。海外で提供している風力発電向けのサービスを日本でも提供することにした。

 風力発電のサービスメニューは発電機メーカーを対象にした機器の認証と、発電事業者を対象にしたコンサルティングに分かれる(図1)。このうち日本国内では発電能力が20kW未満の小型風力発電機の認証サービスから展開する計画だ。

ul_wind1_sj.jpg 図1 風力発電を対象にした認証/コンサルティングサービス。出典:UL Japan

 20kW未満の小型風力発電は固定価格買取制度の中でも最高額の買取価格(1kWhあたり55円)を保証されている。今後は企業などの導入拡大が見込まれることから、安全認証のニーズが高まると判断した。日本法人のUL Japanでは海外で蓄積したノウハウをもとに日本人エンジニアのトレーニングを実施済みで、2013年末から2014年初めにかけて発電機メーカー向けの認証サービスを開始する。

 さらに大型の分野では発電事業者を主な対象にしたコンサルティングサービスに力を入れていく。日本国内でも大規模な風力発電所を建設するプロジェクトが数多く進んでいるが、安全性に加えて長期にわたる採算性が問われるようになってきた。UL Japanはヨーロッパなどの実績をもとに、「マイクロサイティング」と呼ぶ事前評価手法を駆使したコンサルティングを提供する。

 マイクロサイティングは風車を設置する最適な位置を検討するためのサービスで、対象地域に測定塔を建設して、1年間ほどかけて風況を測定しながら、発電量や騒音の影響などを国際規格に従って評価する(図2)。ヨーロッパでは着床式による洋上風力のプロジェクトも数多く手がけていて、必要に応じて日本にエンジニアを派遣できる体制も整えた。

ul_wind2_sj.jpg 図2 風力発電所を事前に評価する「マイクロサイティング」の例。発電設備(左)と測定塔(右)の配置。出典:UL Japan

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