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» 2013年12月04日 07時00分 UPDATE

電気自動車:通勤用のクルマからビルに電力供給、6台で年間50万円の電気料金を削減

企業の電気料金を引き下げるために、社員が通勤に利用している電気自動車から昼間に電力を供給する――。そんな新しい方法を日産自動車が社内で試している。神奈川県の厚木市にある事業所で6台の「日産リーフ」を使って、今夏のピーク電力を2.5%削減する効果を実証した。

[石田雅也,スマートジャパン]

 電気自動車の蓄電池から家庭に電力を供給する「V2H(Vehicle to Home)」の拡大版として、日産自動車が社内で取り組んでいるのは「V2B(Vehicle to Building)」である。社員が通勤に使っている電気自動車は昼間にはオフィスや工場の駐車場に停めておくだけの場合が多い。蓄電池に残っている電力をビル内に供給することができれば、夏の昼間のピークカットなどに有効だ。

nissan_v2b_sj.jpg 図1 6台の電気自動車を使った実証実験。出典:日産自動車

 日産自動車は首都圏の郊外にある「先進技術開発センター」(神奈川県厚木市)で、通勤用の「日産リーフ」6台を使ったピークカットの実証実験を進めている(図1)。

 7月から開始して、夏のピーク電力を最大25.6kW引き下げることができた。削減したピーク電力は約2.5%にあたり、年間に約50万円の電気料金(高圧契約)を節約する効果がある。

 V2Bのシステムを利用すると、夏の電力需要が多い13時〜16時に電気自動車からビルに電力を供給する一方、それ以外の時間帯には電気自動車に充電して、社員の帰宅時間に間に合わせることができる。実際に充電不足によって通勤を妨げるような状態にはならなかったという。

 V2HとV2Bの違いは、供給する電力にある。家庭に供給するV2Hでは1台の電気自動車からパワーコンディショナーを介して単相の200Vを供給するのに対して、ビルに供給するV2Bの場合は6台を同時に接続して三相の200Vで電力を供給することができる。同じ200Vでも三相のほうが多くの電力を送ることができるため、ビルや工場などでは一般的に使われている。

 日産自動車はV2Bのシステムを効率的に運用するための課題を洗い出したうえで、今後は社外でも実証実験を展開する計画だ。企業の節電対策として、リーフと組み合わせたV2Bシステムを普及させていく狙いである。

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