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» 2013年12月16日 07時00分 UPDATE

エネルギー管理:デマンドレスポンスで9000MWを管理する米企業が丸紅と合弁、東電にも電力サービスを提供

電力消費のピーク需要をカットすることで需給ひっ迫を抑え、長期的な電力設備への投資も抑制できる「デマンドレスポンス」(DR)サービス。海外で1万2000社を対象に9000MWのDRサービスを提供する米EnerNOCが、丸紅と合弁会社を設立。実証実験では東京電力に対してDRサービスを提供する。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 世界最大級のデマンドレスポンス(DR)サービスのプロバイダーが日本に上陸する。丸紅は2013年12月、DRサービスを提供する米EnerNOCと合弁会社「エナノック・ジャパン」を設立することについて合意が得られたと発表した。クラウドを利用してサービスを提供するEnerNOCのアプリケーションソフトウェア「DemandSMART」を日本国内向けに独占的に提供する。

 今回の合意に先立ち、2013年11月には丸紅と東京電力が、経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」による「インセンティブ型ディマンドリスポンス実証」(図1)に採択されている*1)。丸紅はEnerNOCを委託事業者としているため、EnerNOCが日本で行う初のアグリゲーターベースのクイックレスポンスDRプログラムが始まる。対象は商工業事業者だ。丸紅は、このDR実証事業は日本の電力システムにDRを導入するための礎になると期待している。

 3社の関係はこうだ。丸紅とEnerNOCがさまざまなDRポートフォリオを使って、2種類のDRサービスを東京電力に提供する。ピーク時供給力のためのDRと、運転予備力調達のためのDRだ。

*1) 6案件が採択された。「丸紅、東京電力」以外に、「エナリス、東京電力」「グローバルエンジニアリング、東光電気、東京電力」「双日、シュナイダーエレクトリック、東京電力」「東芝、東京電力」「日立製作所、東京ガス、ダイキン工業、東京電力」である。

yh20131216Marubeni_METI_590px.jpg 図1 インセンティブ型ディマンドリスポンスのイメージ。出典:経済産業省

 丸紅がEnerNOCと協力し、合弁会社設立合意に至った理由は複数あるという。2012年には関西電力の「BEMSアグリゲータとの協業による電力需要の安定化に向けた取り組み」事業に共同で参画している。

 丸紅は海外で累計9万6000MWの発電所を建設した実績があり、全世界における総発電設備容量は約3万3000MW、出資持分換算で約1万MWを保有している。これは日系独立発電事業者として最大なのだという。丸紅が全世界で展開している電力事業のノウハウをEnerNOCのDRと組み合わせることで、日本の電力需給安定化につながるとした。

 EnerNOCは米国を中心に、オーストラリアやカナダ、英国、ニュージーランドでDR事業を展開している。監理している総需要削減規模は約9000MW、監理対象となるサイトは1万2000以上であり、世界最大のDRプロパイダーなのだという。

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