5000棟の屋根を借りて70MWを発電、レオパレス21が太陽光を拡大自然エネルギー

レオパレス21はアパートオーナーの屋根を借り受けて太陽光発電事業を拡大する。屋根を貸すアパートオーナーの取り分は売電額の3%だが、初期投資が必要ないというメリットがある。

» 2013年12月20日 14時10分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 レオパレス21は2013年12月、アパート5000棟の屋根を借り受けて、太陽光発電設備を設置する計画を発表した。

 増資で調達する246億円のうち、146億円を充て、自己資金を加えた合計約250億円を投じる。2013年12月から2015年3月までの期間に、5000棟の屋根を募集し、発電規模を増やしていく。5000棟全てに設備を導入した時点で、年間発電量は7000万kWhに達し、売電収入は年間約25億円を見込む。

 固定価格買取制度(FIT)の調達価格36円/kWh(税別)での調達を狙うため、2013年度末までに5000棟全てを申請する予定だ。「2012年度においても1カ月で2000棟を申請した実績があるため、達成可能だと考えている」(レオパレス21)

 太陽光発電事業に取り組むのは、レオパレス21の子会社であるレオパレス・パワー。同社は、アパートのオーナーと屋根の使用契約を結び、レオパレス21と設計・調達・建設(EPC)、管理・運営(O&M)の契約を結ぶ。電力会社と固定価格買取制度(FIT)を利用した売電契約を結ぶのもレオパレス・パワーだ(図1)。

図1 発電事業に関する契約と金銭の流れ。出典:レオパレス21

 レオパレス21は、今回の取り組みも含め、6種類の太陽光発電事業に取り組んでいる(図2)。図2にある5種類の事業(1と2a〜2d)はいずれもアパートの屋根を利用した発電だ。違いはレオパレス21の役割。例えば、「オーナー様投資による太陽光パネル設置」(図2の1)では、設備をアパートオーナーが所有し、売電収入も受け取る。レオパレス21は設備の導入を担う。今回発表した事業(図2のc)では、設備をレオパレス・パワーが所有し、売電収入を受け取る。アパートオーナーは屋根の賃借料を得る。

 「アパートのオーナーに対しては図2の1の取り組みをまず勧めている。初期費用はかかるものの、利回りがよいためだ。投資に積極的ではない方には今回の屋根借り(図2の2c)を勧める。屋根の賃借料は太陽光発電の売電額の約3%であり、初期費用は不要だ」(レオパレス21)。

図2 レオパレス21が取り組む6種類の太陽光発電事業。出典:レオパレス21

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