スマホで操作可能、新エネファームは価格を66万円引き下げ発電・蓄電機器(2/2 ページ)

» 2013年12月24日 19時30分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
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スマホ対応で利便性が高まる

 スマートフォン対応はユーザーの利便性を高めるための試みだ。無線LANモジュールを内蔵したリモコン(図2)をエネファーム導入時に選択する。加えて、市販の無線LANルータと組み合わせて使う。すると、スマートフォンで風呂への湯張りの予約や自動湯張り、床暖房の操作、発電量の確認が可能になる。HEMSと似た考え方だ。スマートフォン用OSとしてAndroidとiOSに対応している。

図2 無線LANモジュールを内蔵したスマートフォン対応リモコン。台所や浴室に設置する。出典:大阪ガス

 図3はスマートフォンの表示画面の一例だ。図左は浴室を管理する画面、図右は大阪ガスのダブル発電を導入したときの画面。太陽光発電システム(青)による発電量と売電量がエネファーム(緑)と同じ画面に表示されている。この図では合計1kWを自家消費し、2.7kWを売電している。

図3 スマートフォンの表示画面の例。出典大阪ガス

 改善点の4つ目に挙がった屋外設置に必要な面積では、導入時の制約がより穏やかになった。エネファームは一般に、建物の外壁に沿って設置する。さらにメンテナンスのために前面にある程度の空間が必要だ。特に厚みのある廃熱利用給湯暖房ユニットで課題になる。現行製品では暖房ユニットを壁から50mm離して設置し、手前に300mmの空間が必要だった。従って、建物壁面から塀などまで790mm空いていないと設置できない。新製品ではこれが700mmへと改善された。暖房ユニット自体の厚みは変わっていないものの、部品レイアウトを改善し、ユニットの側面からメンテナンスできるようにしたことで実現した。

 今回のエネファームは4社の協力により開発、製品化したもの。大阪ガスは貯湯ユニットと燃料電池発電ユニットを開発した。燃料電池発電ユニットの方式は固体高分子形(PEFC)。東芝燃料電池システムは大阪ガスと共同で燃料電池発電ユニットを開発、長府製作所とノーリツはそれぞれ独立して排熱利用給湯暖房ユニットを開発した。

 なお、ノーリツは今回から大阪ガスのエネファーム事業に新たに参加した。「顧客の選択肢を増やすため」(大阪ガス)という。長府製作所とノーリツの暖房ユニットは寸法がわずかに異なる以外、価格や性能は同等だ。ただし、ノーリツの製品はスマートフォン対応リモコンセットには対応していない。

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