直列接続で容量倍増、容量255Whの小型リチウム蓄電池蓄電・発電機器

日立マクセルは100V出力のリチウムイオン蓄電池を製品化した。災害時の停電に備える非常用電源や、簡易的なピークシフト対策に生かすことができる。設置場所を変えやすい小型の蓄電池であり、オフィスや学校、家庭での利用に向く。

» 2014年01月24日 20時40分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 日立マクセルは最大出力1200W*1)、容量255Whのリチウムイオン蓄電池「Energy Station(M-PAC01W)」を製品化した。オフィスや学校、家庭において、災害時の停電に備える非常用電源や、簡易的なピークシフト対策に利用できる。想定小売価格は17万円。2014年2月10日から販売を開始する(図1)。

*1) 1200Wの出力のまま長時間利用することはできない。連続動作時間は約90秒。

図1 リチウムイオン蓄電池「Energy Station(M-PAC01W)」。図左に見える緑色のランプは現在の電池容量を5段階表示する機能。出典:日立マクセル

 コンセントを2つ備え、100Vの交流電流を出力する。ラジオ(消費電力10W)の場合は約11時間連続して利用可能。ノートPC(20W)は8時間、扇風機(30W)は6時間、大型冷蔵庫(90W)は2.5時間の利用が可能だという(図2)。

図2 機器別の使用時間 出典:日立マクセル

 蓄電池の利用法を広げる工夫を盛り込んだ。Energy Stationの充電時間は最大約9時間。充電中もEnergy Stationに接続した機器を利用できる他、停電時は自動的にEnergy Stationからの出力に切り替わる。ただし、切り替え時にいったん出力が停止するため、UPS(無停電電源装置)としては利用できない。

 蓄電池の容量を増やしたい場合は、Energy Stationを2台用意し、直列に接続することで、利用可能時間が約2倍に増える(図3)。機器から遠いEnergy Stationの電力をまず利用し、容量がなくなると自動的に手前のEnergy Stationに切り替わる。Energy Stationを多数導入したときに利用しやすい。

図3 容量を増やすために2台を直列接続できる 出典:日立マクセル

 この他、機器の切り忘れなどによって、電池容量が減り続けることを防ぐ機能を備える。コンセントを覆うカバーを開いた状態で、接続した機器の消費電力が10W以下の場合、30分経過した時点で、出力を停止する。

 Energy Stationの寸法は幅180mm×奥行き386mm×高さ268mm。容積に換算すると約18.6Lだ。重量は約12kg。上面にコの字形の持ち手を備える。

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