大規模なメガソーラーを建設するためには、広くて平坦な土地が欠かせない。絶好の要件を備えているのが空港で、全国各地で導入プロジェクトが相次いでいる。静岡空港ではガス事業者のTOKAIがメガソーラーの建設を開始した。反射を抑えた薄膜タイプの太陽光パネル6300枚を設置する。
静岡空港は2009年に開業したばかりの新しい地方空港で、静岡県が運営している。想定したほど利用者が伸びずに厳しい運営が続く中、滑走路の近くにある未利用の土地でメガソーラーの建設が始まった。地元の静岡県を中心にガス事業を展開するTOKAIが初めてのメガソーラー事業に取り組む。
空港内の約2万平方メートルの用地に6300枚の太陽光パネルを設置する計画だ(図1)。飛行機の運航に支障が生じないように、光の反射が少ない薄膜タイプの太陽電池パネルを採用した。
メガソーラー全体の発電規模は1.5MW(メガワット)になり、年間の発電量は164万kWhを想定している。2013年度の買取価格(1kWhあたり36円)を適用すると、年間の売電収入は約6000万円を見込める。2014年12月1日に発電を開始する予定だ。
TOKAIはメガソーラーと合わせて2つの付帯設備も建設する。1つは「エネルギー展示サークル」で、太陽光発電を利用した駐車システムと電気自動車用の充電器を備える(図2)。もう1つはLPG(液化石油ガス)を燃料に使える発電機を設置して、災害時や夜間でも電力を供給できるようにする。
静岡空港は日射量が全国トップクラスの静岡県の中でも、太陽光発電に適した南部に位置している。全国の地方空港では福島、岡山、長崎でメガソーラーの建設が進んでいるほか、関西国際空港でも2014年2月から巨大なメガソーラーが稼働している。
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