古くて新しいインターホン、電力見える化に役立つエネルギー管理

中央電力は高機能インターホンをマンションエネルギー管理システム(MEMS)と連携させる電力見える化サービスを開始、2014年7月には大阪府で全国初の導入が始まる。PCなどのIT機器を用意しなくても、節電につながる気付きが得られる。

» 2014年06月24日 13時20分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 大阪府高槻市とマンションの位置

 中央電力は、インターホンを利用した「スマートマンションサービス」を大阪府高槻市のマンションに導入する(図1)。2014年7月にサービスの提供を開始する予定だ。

 マンションの電力を管理するMEMS(マンションエネルギー管理システム)は珍しくないサービスだ。複数の企業が全国の多数のマンションに導入済みだ。「今回のマンションはインターホンの表示画面を利用した国内初の事例だと考えている」(中央電力)。

 導入先のマンションは地上13階、地下1階、総戸数111戸の中規模マンション。1992年2月築だ。

 「PCなどを利用していない家庭でも、30分ごと、1時間ごと、1日単位、1カ月単位の電力量をグラフなどで比較表示できる」(中央電力)。複雑なITを使わずに簡便に見える化できることが特徴だ。

 同社が導入するインターホンはパナソニックの「Windea(ウィンディア)」(図2)。タッチパネル式の5インチ型カラー液晶画面を備えており、ブラウザとしても機能する。

図2 導入するインターホンの外観

一括受電サービスと組み合わせた

 中央電力は一括受電サービスを提供する企業。電気の契約をマンション内の住戸ごとから、マンション一棟と電力会社との契約に切り替えることで、マンション全体の電気料金を引き下げるサービスだ。

 高槻市のマンションの管理組合に対しては、2013年4月に打ち合わせを開始。2013年12月には一括受電とインターホンを利用したMEMSの導入を管理組合が総会で可決した。「サービス導入に至った理由は2つある。1つはマンション内のインターホンの交換時期と、インターホンを利用したMEMSサービスの提供時期が一致したこと。もう1つはMEMS補助金*1)を利用することで、見える化が可能な性能の高いインターホンを管理組合の積立金の予算内で導入できたことだ」(同社)。

 2014年5月に一括受電サービスの導入工事を実施、2014年7月にはインターホンの交換工事を終える予定だ。

*1) 経済産業省の「スマートマンション導入加速化推進事業費補助金」を利用した。マンションのインターホン設備費用の3分の1を補助するというもの。

【更新記録】 記事公開後、掲載していた導入先のマンションの写真(図2)を削除いたしました(2014年6月24日)。

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