再生可能エネルギーの中で期待に反して伸び悩んでいるのが風力発電である。NEDOが集計した2013年度の導入量は7万kW弱にとどまり、3年連続で減少した。固定価格買取制度の認定を受ける発電設備は増えているものの、運転開始までに長期間を要するケースが多くなっている。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は年度ごとに風力発電設備の導入状況を調査している。2013年度に運転を開始した風力発電設備は全国でわずか33基、発電能力(設備容量)の合計では約6万8000kWにとどまった。前年度と比べて約2万kWの減少で、2001年以降では最低の水準にまで落ち込んだ(図1)。
最大の要因は「環境影響評価」が2012年10月から風力発電にも義務づけられたことにある。出力が1万kW以上の大規模な発電設備が対象で、工事の認可までに3年程度の期間を要する。2012年10月以降に着手した風力発電プロジェクトが運転を開始できるのは早くても2015〜2016年度になる見込みだ。
すでに固定価格買取制度で認定を受けた風力発電設備は2014年3月末時点で104万kWに達している。このうち運転開始済みの設備は4.7万kWしかなく、約100万kWが建設中か環境影響評価の段階にある。その多くが稼働を始める2017年度からは導入量が一気に増えて、過去最高だった2006年度の40万kWを超える可能性が大きい。今後2〜3年は風力発電の低迷期が続くことになる。
都道府県別の導入量を見ると、2013年度に最も増えたのは北海道である(図2)。約2.8万kWの増加で、全国の4割を占めている。2014年3月に運転を開始した「上ノ国ウインドファーム」の12基によるものだ。次いで導入量が多かったのは秋田県で、6カ所で合計1万4000kWが稼働している。累計の規模では青森県が最大だが、2013年度は5000kW程度と少なかった。
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