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» 2014年07月04日 07時00分 UPDATE

蓄電・発電機器:高効率パワコンやアルミ架台、96〜512kWの太陽光に向くキット

条件がよい30m×40m程度の土地に太陽光発電所を立ち上げる場合、最大出力は100kW程度まで高められる。出力が50kW以上の発電所は系統と高圧で連系しなければならない。Looopは2014年7月、このような条件に適した太陽光発電のシステム製品「高圧MY発電所キット」を発表した。

[畑陽一郎,スマートジャパン]

 太陽光発電システムをキット販売するLooopは、2014年7月3日、出力96kWから512KWの発電所立ち上げに向く製品「高圧MY発電所キット」を発表した。同日から販売を開始する。同社のこれまでの発電所キットと同様、太陽光発電所に必要な全ての部材を含み、価格を提示したことに特徴がある。部材費を工事費などと切り離した形だ。

 96kW分の太陽電池モジュールを含むキットの価格は1798万円(税別、配送料・工事費別)。512kWの場合、同8980万円。96kWから出力を32kWずつ増やした構成を選択できる。

 同社によれば、96kWのキットを山梨県甲府市に設置すると、年間予想発電量は12万2440kWhとなり、1kWh当たり32円(税別)で売電すると、年間391万8000円の収入が得られるという。

 96kW品はどの程度の面積の土地に向いているのだろうか。同社が示す配置例によれば、複数の架台をほぼ正方形に並ぶよう設置できたとき、必要な面積は1286m2。この場合、太陽電池モジュールを4段4列(16枚)載せた架台を24セット配置する。同様に512kW品は、架台を128セット配置するために6222m2の土地が必要だ。

必要な部材を全てキット化

 高圧MY発電所キットには、出力250Wの太陽電池モジュールと架台、容量25kWのパワーコンディショナー、キュービクルなどが含まれている(図1)*1)

*1) 図1には示されていないものの、パワーコンディショナー用のマスターボックスやケーブル類などが含まれる。合計出力384〜512kWの構成の場合、さらに交流集電箱を含む。

yh20140704Looop_parts_490px.png 図1 高圧MY発電所キットに含まれる主な部材(出力96kWの場合) 出典:Looop

 太陽電池モジュールは同社の他のキットと同じく、多結晶シリコンを用いたもの。架台には新たにアルミニウム製を採用した。さびにくく、軽い。同社の他のキットと同様、単管(鉄パイプ)を地面に打ち込み、その上に架台を載せて使う。パワーコンディショナーには炭化ケイ素(SiC)を用いた半導体を採用しており、変換効率が97.8%と高いことが特徴だ。

経済産業省の認定条件に適合

 経済産業省は固定価格買取制度(FIT)の買取価格や認定条件を年度ごとに改正している。2014年4月からは、出力10kW以上の産業用で買取価格(調達価格)を32円/kWh(税別)とした他、認定条件では低圧分割案件の取り扱いを厳格化した。

 経済産業省がいう低圧分割案件とは、「同一の事業地における大規模設備を意図的に小規模設備に分割した場合」をいう。従来はこのような案件が認められていたが、2014年度からは「分割案件については、関連する該当発電設備をまとめて一つの認定申請案件とする」ことが決まった。用地を50kW未満の複数の発電所に分割することを禁止した形だ*2)

 Looopの高圧MY発電所キットは経済産業省の新しい認定条件に合致している。ある程度の面積の土地が用意でき、出力96kWから512kWの太陽光発電所を立ち上げたいユーザーにメリットがある。

*2) 経済産業省資源エネルギー庁の資料(PDF)によれば、低圧分割を禁止した理由は4つある。50kW以上の場合、高圧で系統と連系しなければならず、電気主任技術者を置くなど安全規則が課せられる。低圧分割ではこれを回避することになり、社会的な不公平となる。第2に本来事業者が用意すべき接続用の補機などが電力会社の設備となり、維持管理コストが増えることだ。これは電気料金への転嫁につながる。第3に、高圧であれば1本で済む電柱を低圧では複数設置しなければならず、社会的に非効率であること。第4に50kW以上の太陽光発電に対して新たに課せられることになった土地と設備の180日以内の確保義務を逃れる形になる。

【修正記録】 図1の一部をより高解像度の画像と差し替えました。(2014年7月6日)

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