ドイツ企業の経験生かす太陽光発電所、栃木に2.3MW自然エネルギー

横浜環境デザインはドイツIBC SOLARと提携し、栃木県さくら市で出力2.3MWの太陽光発電所を2014年8月までに立ち上げる。IBC SOLARの設計や機材を生かした発電所だ。

» 2014年07月09日 12時15分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 栃木県さくら市と発電所の位置(赤丸)

 横浜環境デザインは2014年7月、建設中のメガソーラー「さくら小入発電所」(さくら市小入、出力2.3MW)について、詳細を発表した。

 同発電所は、ドイツIBC SOLARが国内で最初に立ち上げるメガソーラーだ。同社は全世界で15万カ所の太陽光発電所を一括請負の形で完成させており、総発電量は2.5GWにも上るという。横浜環境デザインは太陽光発電を専業に施工を担う企業。2013年度の施工実績は15MWだ。

 横浜環境デザインは、さくら小入発電所の建設について、IBC SOLARと提携している。「もともと農地として個人が利用していた3万3614m2の土地を農地転用後、IBC SOLARが20年間の契約で借りたものだ。IBC SOLARが資金を提供し、当社がEPC(設計・調達・建設)として発電所を立ち上げる。ただし、通常のEPCとは異なる。IBC SOLARは売電量を最大化するために、手掛ける全ての太陽光発電所で、サイト設計と機材の選択を行う。今回の発電所でもIBC SOLARの設計後に当社が工事に着手した」(横浜環境デザイン)。

 設計は詳細にわたり、パワーコンディショナーの位置のような配置設計の他、工事の進め方も決まっているという。「現地にはIBC SOLARの現場監督としてイタリア人が派遣されている」(横浜環境デザイン)。「当社もメガソーラーの実績は多数あり、工期も短いと自負しているものの、ドイツのノウハウは金銭では得難い。大規模な事例を通して勉強をさせてもらっている形だ」(同社)。

 部材でもIBC SOLARのノウハウが生きているという。架台には国内の導入事例が少ない「くい一体型」の製品を使用、IBC SOLARの多結晶シリコン太陽電池モジュールを載せる。パワーコンディショナーはスイスABBの製品を採用した。

 2014年4月に着工。土地は高さの異なる2段に分かれており、そのうち1段への設置が完了(図2)、現在は2段目の架台を設置している。

図2 完成した太陽光発電所の一部 出典:横浜環境デザイン

 2013年5月に固定価格買取制度(FIT)の設備認定を受けており、買取価格(調達価格)は40円(税別)である。完成後は発電所全体を投資家に売却する予定だ。「IBC SOLARは既に多数の土地を確保しているため、今後も大規模太陽光発電所の建設が続くだろう」(横浜環境デザイン)。

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