SOKODESはストリングの方向に向かって数Vのパルス波を送り、反射波を受け取る。反射波の戻ってくる時間を計り、断線している位置を検出する仕組みだ。「こだま」を使って位置を検出するようなものだ。このような方式をTDR(Time Domain Reflectometry)と呼ぶ。同社によればTDR方式を採用した監視システムとして国内初であるという*1)。
*1) 1つのSOKODESが16ストリングまで対応できる。SOKODESはリレーによってストリングを切り替えながら、パルス波を順に送っていく形だ。16ストリングの場合、1回の検査に要する時間は「1時間から1時間半」(同社)。
太陽電池モジュールの内部では複数の太陽電池セルがつながっている。セル同士を直列に接続すると、配線が一本道になり、内部で断線したり、太陽電池モジュールの一部に影がかかったときに問題になる。ストリング全体に電流が流れなくなるからだ。
そこで、一本道の途中で断線が起こったときにその部分をショートカットできるよう、バイパスダイオードが取り付けられている。「SOKODESはバイパスダイオードが働いている太陽電池モジュールも検知できる。実際には太陽電池モジュール間よりもこのような内部の故障の方が多い」(NECネッツエスアイ)。
会場ではデモ用のストリングを用意し、断線している部分を検知する様子を見せていた(図3、図4)。
同社のサービス内容を図5に示す。「基本サービスはSOKODESを必ず含む(図中でPV診断による異常通知とあるメニュー)。その上でサービスの程度をユーザーが選択する形だ。例えば、24時間365日監視するのか、平日の昼間だけに限るのかといった選択だ。このため基本サービスの料金には幅が生じ、出力1MW当たり年間200〜400万円となる」(同社)。
「今回のサービスを発売する以前に、EPC(設計・調達・建設)サービスを提供する企業と共同で個別に先行導入しており、サービスを展開できることを確認済みだ。2014年9月から本サービスの提供を始める。当社は携帯電話の基地局を保守管理する要員を全国に配置しており、今回のようなサービスを無理なく広げることができる」(同社)。
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