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» 2014年08月11日 10時00分 UPDATE

オムロンが高圧領域への参入をアピール、得意の低圧市場でノウハウ貯めた低コストな分散設置型パワコンなど

住宅用太陽光発電システムに使う低圧のパワーコンディショナで高いシェアを持つオムロンが、高圧領域への本格参入を「PVJapan 2014」でアピールした。低圧市場でノウハウを蓄積してきたストリング型(分散設置)を高圧市場へと展開した三相20kWクラスのパワーコンディショナ(参考出展)など、高圧に役立つ製品やサービスを展示した。固定価格買取制度(FIT)における太陽光発電の買取価格が年々低下する中、コスト削減にもつながる分散設置型パワーコンディショナで、高圧の市場でもプレゼンスを築いていく。

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 オムロンは、2014年7月30日〜8月1日に東京ビッグサイトで開催された「PVJapan 2014」に出展し、近く市場投入を予定している高圧連系向けの太陽光発電用パワーコンディショナをはじめ、地絡過電圧継電器(OVGR)の新製品やメンテナンスツールなど、「エネルギー効率の最大化」に寄与する製品や技術を披露した(図1)。

yh20140811OMRON_panorama2_590px.jpg 図1 PVJapan 2014ではさまざまな用途に向く多数のパワーコンディショナを展示した

得意の分散設置型で高圧領域へ

 国内住宅向けパワーコンディショナでトップシェアのオムロンが次に狙うのは、数百kWの高圧ミドルソーラー市場。国内では、この規模の発電所向けのパワーコンディショナはセントラル(一括入力)型が主流となっているが、先行する欧州市場では近年、ストリング(分散設置)型の導入が目立っているという。オムロンは、50kW未満の低圧領域に参入した際、5.5kWを9台で49.5kWというストリング型の提案で低圧市場を切り開きシェアを伸ばしてきた。同様に高圧領域にも分散設置型で切り込んでいく方針だ。

 分散設置型パワーコンディショナの最大の利点はコストである。大容量を少ない台数でまかなうセントラル型に比べ、ストリング型は設置台数が多いため、設置コストがかさむと思われがちだが、試算したところ、初期コスト(設備・装置の価格や工事費)をトータルで比べれば、ストリング型のほうが低くなったという。セントラル型で必要とされる設備や工事などを削減できるためだ。

 また、ストリング型は運転開始以降の利益確保にも貢献しやすい。1台当たりの容量が小さい分、リスクを分散でき、たとえパワーコンディショナに故障があったとしても、発電量が大幅に減るといった事態を避けられるからだ。

 オムロンが参考出展していた高圧用パワーコンディショナは、20kWクラスで小型・高効率が特長。重さが50kg未満と、このクラスとしては小型・軽量で、変換効率は98%と高い。また、自然空冷方式で外部ファンがないため、定期メンテナンスやエアコンが不要。さらにそれらの消費電力も削減できる。入力電圧はDC1000Vであり、並列工事削減と送電のロスが抑えられるため、初期投資削減と発電量アップのダブルの効果が得られる。さらに、コネクタで入力することで工事を簡素化できる(図2)。沿岸部にも設置できるよう、塩害対策も施している。

yh20140811OMRON_24kW_590px.jpg 図2 ケーブルがコネクタ式(筐体下部)となっており、設置作業の手間が少ない

OVGRでもコスト削減に効く新製品を投入

 高圧領域向けに発売する地絡過電圧継電器(OVGR)の新製品は、業界で初めて、手動復帰用の切替機能を備える(図3)。地絡事故からの回復後、自動的に系統に接続する自動復帰は、一定規模以上の発電所の場合、系統へ一気になだれ込む大電流の影響を考慮して、電力会社が禁じている。そこで手動復帰する必要があるものの、これまでOVGRに手動復帰スイッチは搭載されておらず、システムにキープリレーを組み込むことで手動復帰機能を実装していた。オムロンの新製品は手動復帰機能をあらかじめ備えているため、外付けのキープリレーを使う場合に比べてシステム設計のコストを低減できる。

yh20140811OMRON_OVGR_590px.jpg 図3 地絡過電圧継電器(OVGR)の新製品

 遠隔監視システムとの連携機能も特徴だ。オムロンが提供する「ソラモニ」などの遠隔監視サービスと連携すれば、保安検査のコストを低減できる。太陽光発電にかかわる受変電設備の保安点検は2015年4月から規制が強化され、現在の6カ月ごとから規模によっては2カ月ごとの点検が義務付けられる。しかし、遠隔監視システムでモニタリングしている場合は1カ月の延伸が認められるため、1年に6回の点検を4回に減らせる。オムロンはこのOVGRを、2014年10月に発売する。

 太陽光発電システムのアフターサービスとして提供しているソラモニは、遠隔監視システムと、緊急時の駆けつけサービスを組み合わせたもので、主に高圧市場向け。太陽光発電システムに故障などが生じ、現場作業が必要になった場合は、全国140カ所の拠点からオムロンフィールドエンジニアリングのスタッフが駆けつける。発電機会の損失を最低限に抑えるサービスだ。

パワコンの情報を簡単に見られるメンテナンスツールが登場

 アフターサービスの拡充にも力を入れる。家庭・低圧領域など小規模な発電サイトのメンテナンス事業者向けの監視ツールを参考出品した。太陽光発電システムの電流-電圧特性曲線(I-Vカーブ)を測定する場合、従来はスタッフが現地で専用のトレーサー機器を使って測定、データを持ち帰って解析していた。オムロンは、同社製のパワーコンディショナと接続されたモニタリング端末を用いて、専用のトレーサーなしで容易にI-Vカーブを取得し表示できるようにした(図4)。詳細な情報が簡便に見られ、メンテナンス事業者の利便性が向上するとともに、発電サイトのオーナーにとっても売電機会の損失低減につながりやすい。

yh20140811OMRON_IVcurve_590px.jpg 図4 I-Vカーブを容易に表示できる

 展示ブースには、オムロンが得意とする住宅・低圧領域のパワーコンディショナも多数並んだ。全機種に、多数台連系時の単独運転防止技術「AICOT」を搭載している。日本の住宅に多い寄棟屋根にも対応しやすいマルチストリング型の機種や、蓄電とのハイブリッド型パワーコンディショナ(参考出品)など、多彩なラインアップを紹介した。

SiC採用に耐湿度性アップ、パワコンの進化軸

 近々製品化を予定している新技術を組み込んだパワーコンディショナも披露した。たとえば、パワー半導体素子にSiC(シリコンカーバイド)を採用した「ALL SiCパワコン」。同容量であれば、体積を従来製品の1/2に小型化できる(同サイズなら容量が2倍)。電力損失も従来製品の1/2に抑えられるという。

 また、筐体の密閉性を高めたことで対湿度性を高め、浴室付近(脱衣場など)への設置も可能とした。設置の自由度が高まるほか、屋内外の設置に両対応することから、納入業者は屋内向けの機種、屋外向けの機種をそろえなくて済み、在庫管理が容易になる。

yh20140811OMRON_demandctrl_590px.jpg 図5 電力自由化に向けたオムロンの商品構想

 2016年の電力小売の全面自由化に向けて、オムロンはパワーコンディショナに限らず、エネルギー効率を最大化する製品・サービスを続々投入していく予定だ。電力自由化を見据え、30分同時同量制御など新電力市場のニーズに適応した電力量モニタやコントローラを展開し、顧客の需給制御を支援する(図5)。また、デマンドレスポンスやネガワット取引といった電力自由化によりさらに広がるエネルギーサービス市場にも、変換技術と制御技術を核として積極攻勢をかける。

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提供:オムロン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月10日