エナジーステーション タイプCは「ESコントローラー」と組み合わせて使う。ESコントローラーは白いブロック状の本体と7型のタッチパネル機能付きモニターからなる。「本体は交流電流センサー(CTセンサー)を備えており、配電盤にセンサーを接続して使う」(日立マクセル)。図3や図4では緑色の破線で示されていた部分だ。センサーから得た情報はモニターに表示される(図5)。見える化に対応しており、電力消費や、売買電の記録、蓄電池の充放電情報をグラフ表示可能だ。
ESコントローラーのもう1つの機能は蓄電池の運転モードを設定すること(図6)。蓄電池に対してHEMSとして機能する*4)。夜間電力だけを充電するといった指定が可能であり、電気料金のメニューや電気を使用するパターンと組み合わせて電気料金削減に役立てることが可能だ。
*4) ECHONET Lite規格に準拠する他社のHEMSと連携できる。
家庭用蓄電池は容量が大きく、長期間利用する製品だ。このため有償の「見守りサービス」もある*5)。メニューは3種類。システムをモニターして異常対応を行う「モニタリングサービス」と、システムに不具合があったときに故障内容を解析して連絡する「故障解析サービス」、年2回リモート点検プログラムを起動してシステムを検査する「自動点検サービス」だ。
*5) 見守りサービスを契約した場合は、蓄電池本体の保証期間が工事完了後、10年に延びる(通常は1年)。蓄電池の容量保持率が60%未満になった場合などに交換保証を受けられる。なお、1日1回ずつ充放電した場合の製品寿命が約10年である。
なお、今回日立マクセルが製品化したエナジーステーション タイプCは、2013年に三井不動産レジデンシャルが超高層マンション「パークタワー新川崎」(川崎市幸区)に採用した蓄電池と同一機器である(関連記事)。パークタワー新川崎ではマンションが備えるHEMSとMEMSが蓄電池を制御していたため、専用コントローラーは不要だった。「今回は一般に販売するため、ESコントローラーを開発し、組み合わせて使うようにした」(日立マクセル)。蓄電池などの価格情報は明らかにしておらず、オープン価格である。「ある程度の工事が必要な製品であるため、法人や一般家庭に販売する際は工事費と合わせた個別見積もりで対応する」(同社)。
「今後は市場のニーズを見ながら、蓄電池の寸法や容量などを変えたラインアップ製品を拡充していきたい」(同社)。
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