1億5800万円でメガソーラーの部材そろう、品質にも注力発電・蓄電機器

Looopは2014年9月から、出力約1MWの太陽光発電所の立ち上げに必要な部材をセットにした「メガソーラーキット1000」の販売を開始する。1kW当たりの単価が15万6000円と低いことに加えて、品質の高い部材を採用したことが特徴だという。

» 2014年08月29日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 出力約1MWの太陽光発電所を立ち上げるために必要な、太陽電池モジュールや架台などの部材を全てまとめた「メガソーラーキット1000」をLooopが製品化した。2014年9月3日に販売を開始する。

価格の優位性をうたう

 同キットの特徴は2つある。第1が価格だ。1億5800万円(税別)である。1kW当たりの単価は15万6000円となり、市販製品としては最も安価な水準にある*1)

 同社はこのような価格水準の製品を企画した意図として、固定価格買取制度(FIT)の買取価格の変化を挙げている。2014年4月から10kW以上の買取価格が1kWh当たり32円(税別)に引き下げられたことから、低コストで発電所を立ち上げることが可能な製品が求められているのだという。これは買取価格を年々引き下げることによって、部材コストの低減を促すというFITの狙いにも合っている。

*1) 同社が2013年5月に発売した「みんなで作ろう! メガソーラーキット」(モジュール出力1125kW)の価格は1億9800万円。1kW当たりの単価は17万6000円。なお、どちらの製品の価格にもキットの配送料や工事費は含まれていない。

高品質な部材を採用

 FITは部材の品質を保証しない。制度上、技術革新によって低コスト化を実現した製品と、単なる低コストだけを狙った製品の区別が付かないからだ。しかし、太陽光発電事業者にとっては、低コストはもちろん、20年間確実に発電できることこそが重要だ。品質が劣る製品では確実な発電は難しい。

 メガソーラーキット1000の第2の特徴は品質だという。太陽電池モジュールとパワーコンディショナー(PCS)、架台のいずれもが高品質であることをうたい、発電所の維持管理に役立つ遠隔監視ツール「みえるーぷ」も付く(関連記事)。ストリング単位での監視が可能なツールだ。

 キットに含まれる太陽電池モジュールは同社がこれまで採用していた多結晶シリコン太陽電池モジュールと同等のもの。25年間の出力保証が付く。出力を従来の250Wから255Wへと高め、モジュールの面積は大きくなっていないため、一般により少ない設置面積で太陽光発電所を実現できる。メガソーラーキット1000では3968枚を用いて、1011.84kWを得る。

 PCSは田淵電機が開発した出力25kWの機種を31台用いる*2)。PCSの合計出力は775kW。田淵電機は25kWの品種の特徴として、ファンレス構造を採っていること、高耐食鋼板を用いていることを挙げている。いずれもPCSの長寿命化に役立つ。同PCSの最大効率は97.8%と高い。

設置に柔軟性あり

 架台は2種類から選択できる。従来のスチール架台か、耐久性の高いオールアルミ架台だ。オールアルミ架台を選ぶと4段4列に太陽電池モジュールを配置することが可能。土地の形状など、現場の状況によってはスチール架台を選んだ方がよい場合もあるという。この他、キュービクルや集電箱、配線などが付属する。

 図1は、Looopが福島県郡山市に建設した自社発電所「ソーラーパーク郡山安積」の外観である。出力は1128kWであり、メガソーラーキット1000を用いた場合の規模とほぼ等しい。オールアルミ架台を用いたときはこのような配置になるため、設置例として示した。

*2) メガソーラーキット1000には、32台までのPCSを一括制御できる「マスターボックス」も付属する。運転・停止の切替や運転状況の管理が可能。

図1 出力1128kWの太陽光発電所の例 出典:Looop

 なお、同社はメガソーラーキット1000に含まれる部材を、2014年9月3日から同5日までインテックス大阪で開催される「[関西]PV EXPO 2014」で展示する。

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