このような走行を可能にするために、永久磁石同期モーターも新規に開発した。「出力24kWの走行用モーターを4つ配置した」(同社)。
電気自動車では充電関連の仕様が気になる。「搭載するディーゼル発電機を用いて充電した場合は50分ですむ。外部の電源から充電した場合も8時間で完了する。外部とは1カ所で接続するだけでよい(図3)」(同社)。充電用の電源電圧は200Vだ。
NeGEMは車体の長さが13.6mもあるため、狭い場所ではターンができない。そこで、タイヤだけを90度回転させて平行移動できるような設計とした。「(輸送・物流用の)パレットの下側に空間を用意しておき、そこにNeGEMを移動し、パレットを積載するといった使い方ができる」(同社)。NeGEMの車高は1.6mあり、上下に0.3m、荷台を上下できる。パレットと高さを合わせて運びやすい。車高を制御するインタフェースは図2の画面左側に用意されている。
GSユアサが納入したリチウムイオン蓄電池は「LIM50E-8」(図4)。「当社の他の産業用蓄電池と同様、自社工場で製造した『LIM50E』電池セルを8個組み合わせたモジュールだ」「リチウムイオン蓄電池は用途に合わせてBMU(battery management unit)を作り込む必要がある。走行試験も含めて開発には複数年度を要した」(同社)。一般に安全性向上に役立つといわれるマンガン系正極材を用いた蓄電池だ。
LIM50-8の容量は47.5Ah。電圧は29.6V。最大放電電圧は300A*2)であり、最大出力は8.88kW。電池の寸法は215mm×414mm×135mm(17.5kg)。
この蓄電池を40個(20直列、2並列)搭載して、容量57kWhのシステムを作り上げ、NeGEMに搭載した。出力電圧は592Vだ。
*2) 最大充電電流は125A。「NeGEMは重量物を動かす車だ。そこでLIM50E-8では放電に特化した設計とした」(GSユアサ)。
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