蜂の巣が軽さの秘密「太陽電池」、重量半分147W自然エネルギー(1/2 ページ)

太陽工業は岐阜プラスチック工業と共同で、屋根への負担が少ない軽量な太陽電池モジュール「T-Light Solar」を開発した。2014年内に発売する。太陽電池モジュールと架台を合わせた重量を、通常の製品と比較して57%に抑えられるという。

» 2014年09月08日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 太陽工業は2014年9月、屋根への負担が少ない軽量な太陽電池モジュール「T-Light Solar」を開発、2014年内に販売を開始すると発表した。従来型モジュールと比較して最大53%軽いという。同社の調査では業界最軽量クラスだとした。このため、強度が十分に高くないために設置が難しかったスレート屋根などにも向くという。

 軽量化の秘密は太陽電池セルを支える部材にある。樹脂でできたハニカム構造をアルミニウムの薄板で挟み込んだ形状を作り上げた(図1)。その上に太陽電池セルを載せ、最上部に透明保護フィルムを被せる*1)

 このような工夫により1m2当たりの重量を、従来の太陽電池モジュール(12〜15kg)と比べて、41〜53%軽量な約7kgに抑えることができたという。T-Light Solarを共同開発した岐阜プラスチック工業によれば、モジュールと架台を合わせた設置総重量は従来品の30kg/m2に対して、T-Light Solarでは約17kg/m2に抑えることができる。

 樹脂によるハニカム構造とアルミニウム薄板の組み合わせは、同じ剛性を持つアルミニウム薄板と比較して5分の1と軽い。鉄板の重量の10分の1である。

*1) 一般的な結晶シリコン太陽電池モジュールは3層構造からなる。表面の強化白板ガラス、EVA樹脂、裏面の保護樹脂シートだ。EVA樹脂の中には太陽電池セルとセル間をつなぐ電線が埋め込まれている。さらに外周にフレームを設けて補強している。もしも、T-Light Solarに弱点があるとすれば、透明保護フィルムの部分だと考えられる。

図1 ハニカム構造とアルミ板 出典:太陽工業
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